Indigoblueのオフィス近くに山椒が効いた麻婆豆腐を出してくれるお店があります。
ただ辛いだけという説もありますが、たまに食べたくなります。一人でふらりと
行くことが多いのですが、その日もランチタイムにカウンターで食べていました。
私が食べ終わりそうな頃、40代とおぼしき男性が隣にどかっと座ってきました。
“担々麺、かためでお願いします”
“タンタンメン、カラメデ!”
明らかに店側は「硬め」を「辛め」ととっています。この男性、スマホをいじっており、
これに気づいておりません。見知らぬ人ですが、ここは持ち前のお節介マインドを
発揮するときです。
“あの、さっき、硬めって言ってましたよね”と私。
“あ、はい(なんだこのおじさん?)”
“たぶん、辛めってオーダー入ってますよ”
“え!”
普通でもそこそこ辛いのに、それ以上辛くなったら食べれません。
“すみませーん”
“ハイ” とネパール人らしきウエイトレスがやってきました。
このお店はたぶん7国籍くらいの方が働いているので共通言語はカタカナ日本語です。
”担々麺、硬めでお願いしましたよね?“ とその男性。
“カタメ? カラメデショ?”
“辛めじゃなくて”
“タンタンメン、カラクナクテ イイカ?”
“・・・いや”
“ハイ、カラメ!”
麺硬めとか、この店では無理なようでした。(一風堂さんならまだしも)
こういうコントのようなやりとりが社内でもよくあります。さすがに、日本語の
聞き取りに端を発するようなことではありませんが、“思い込み”によるものは
散見されます。同じ言葉でも異なることをイメージしていることはままあります。
「残業が多くて問題だ」
上司がこう言っているのを聞いて、どう思いますでしょうか。
あ、最近のトレンドから「労基署が来ることを心配しているのかな」と勝手に推測して、
「36協定違反者はそう多くありませんよ」と返したところ、「!?」という反応。
「ちがうよ。こんなに働いていると身体を壊す人が出るんじゃないかと思って・・・」
相手が発した言葉を鵜呑みにせずに、その意図することを確認する。この場合ですと
「そうですよね。来月もこんな状態だとよくないですよね」と反応すれば、
「そうなんだよ、身体を壊す人間が・・・」と会話が良い感じで展開していきます。
営業の場合はもっと深刻です。クライアントが発している言葉を勝手に推量し、
提案して大スベリ!ということがよくあります。相手が意図していることを質問を
しながら確認していく。このスキルがあるとないとでは大きく結果が違ってきます。
賢いと自認している人ほど質問が苦手です。質問や確認すると自分の理解度が低い
(=頭が悪い)と思われないか、と潜在的に心配してしまうからです。違いますね。
自分がわからないので教えてほしい、という姿勢でどんどん質問する。それにより、
話し手と共通のゴールが見えてきます。これがコンサルティング力です。
質問のタイミングは重要です。一番良いのはその場で聞くこと。しばらくしてから
メールで質問するのは嫌われます。その場で会話しながら聞く。ここに頭の回転の
速さを使いましょう。
ちなみに質問の王道は「Peel for pain(それを放置するとどんな悪いことが
起きるか?)」と「Peel for gain(それが解決するとどんな良いことが起きるか?)」。
この2種です。私がコンサルタント時代に某アメリカ人講師に叩き込まれました。
どんな場合でも有効だと思います。
おまけ:どんな場合でも有効と書きましたが、家庭内では別だと思います。
なので、以下の本をお薦め。
おススメコーナー:「鈍感な男 理不尽な女」(黒川伊保子著、幻冬舎)納得感満載。
おもしろいです。