811号「退職代行が当たり前だって!?」」(メールマガジン「人事の目」より)

驚きました。

“新入社員の退職者の6割近くが退職代行を使っている。“
先日、某一部上場企業の社長から聞きました。ビックリです。

そもそも退職代行とは2017年ころに誕生した世界に類を見ないサービスです。対象はブラック企業や人間関係が濃い少人数の企業、つまり「辞めるということを言いにくい環境」にあるところで、やむなく使われているものだと私は思っていました。この“新入社員の6割が使う”という企業は知名度の高い大企業で、もちろんブラックではありません。

気になったので、他の会社の状況も聞いてみましたが、どうやら普通に使われていることがわかりました。今年はコロナの影響もあり、入社したものの十分なコミュニケーションがとれていないことが退職代行の利用に拍車をかけているのかもしれませんが、この傾向、今年に限ったことではないようです。

その昔、某経済誌で「辞めるな 若造!」という企画をやったことがあります。いわゆる七五三現象の検証です。就職して3年以内に中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職する、これが本当かを調べる企画でした。このため大卒の退職者・退職予備軍のインタビューを大量に行いましたが、おおむね3割が3年で離職していることは事実でした。

しかも、その退職者のうち、優秀とみなされていた人の大半が入社した年の11月ころに退職を決意していました。ただしすぐに退職してしまうと履歴書が“汚れる”ので、しばらく“死に体”で仕事をし、この間、資格取得の勉強をしたり、転職準備をしたりし、3年程度の在籍実績ができた時点で退職するというパターンが見えました。それが3年での退職です。ただ、実際には1年目の11月が分かれ目でした。

ちなみに、当時の主たる退職理由は、1)上司との人間関係、2)将来に対する不安(あんな風にはなりたくない、と思わせる人が多い)3)自分がやりたいこととの不一致 でした。

当時は退職を決意するまでに親しい友人や社内外の先輩などに相談をし、その上で決めるというのが一般的でした。もちろん、退職の意思表明は本人がするのが当たり前でした。それが違ってきているんですね。

会社というところはカンパニー、共に働く仲間の集団であってほしい私は思っています。仲間が自ら退職の意思を伝えることすらできない、またはしない、という状況は寂しすぎます。これを、若い世代のコミュニケーション能力の低下問題と片づけたくはありません。

先日、某企業でコロナ対策をした上で“全社員会”を開催しました。この会社、みな忙しく働いています。“仕事だけ”している感覚です。お互いに何に悩み、何を大事にしたいのか、どうしていきたいのか、こうした心情面のやりとりをする時間的余裕がありません。まさに“仕事だけ”です。同じ場所で同じ課題に向き合っていたとしても、心の中はアウェー、孤独です。コロナ禍によるリモートワークでこの孤独感が増していました。(この傾向、どの会社にも言えることだと思います。)

そこで同じ会社(チーム)の人と人をつなげるための対話の時間を意図的につくったのです。6時間ほどのセッションでしたが、終了後は見違えるほど明るくなりました。社員の声のトーンが上がり、笑顔が増え、行動がきびきびとするようになりました。

“コミュニケーションの良し悪しは共有する時間の絶対量に比例する。”単純なことですが、今だからこそ、マネジメント側が考えるべきテーマだと思います。ちなみに役員レベル、幹部レベルでこの手のことをやっている企業は多いのですが、新人も交えてチーム単位となるとやれていないというのが現実だと思います。極端な話、1日そのチームの業務が止まったとしても、チームの健全性を維持するためにも「チームでの対話時間」を設けた方がよいとさえ私は思います。


おまけ:久しぶりの飛行機でのこと。到着後、通路の反対側でのことです。
華奢な女性が上の棚からカバンをとろうとして苦心していました。
そこに「とりましょうか?」と申し出た中年の男性。

棚からかばんをとろうとしたときです。別のカバンが落っこち、その華奢な女性の頭を直撃。
「大丈夫ですか?」と頭を抱える女性の近くに寄った際に、
その男性のショルダーバックが別の男性のあごを直撃。
それに気づき「うわっ!」とその男性が振り返ったのですが、
今度は目の前の華奢な女性の顎にエルボーが炸裂。(この後、どうなったものやら)


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