813号「”高齢者”対策の本丸」(メールマガジン「人事の目」より)

11月中旬に某所(北の方)で「“高齢者”が活き活きと働ける組織づくり」をテーマに講演します。ただ、このテーマ名がよろしくありません。そもそも「高齢者が」とネーミングした課題設定をしていること自体が問題だと思っています。「女性」についても同じです。「女性の活用」という課題が設定されること自体が問題なのです。

この課題設定の背景が問題です。「高齢者」や「女性」が「標準側」の理屈に基づくと活躍できない、従って、特別になんらかの手立てを講じないといけない。これが問題だと思っています。「高齢者」や「女性」側ではありません。「標準側」に手を入れませんと、この課題の本質的な解決には至りません。

これは組織の中で「高齢者」「女性」がマイノリティだから起こる話です。過去に女性中心の会社で社外取締役や顧問を務めたことがありますが、そこで「女性の活用」が課題として挙げられたことはありませんでした。また、私が創業会長のインディゴブルーに関わり始める方の平均年齢は60歳を超えていると思うのですが、もちろん「高齢者の活用」が課題になったことはありません。

ということから、「高齢者活用」「女性活用」に関し、高齢者だけ、女性だけの組織をつくるという施策は有効です。高齢者や女性の意識、周囲の意識を変えるための刺激になります。ただし、これは対症療法です

ここからは「高齢者」にフォーカスしてお話しします。

“標準側”の理屈からすると、「高齢者」の多くに以下の問題があると言われています。

・新たなことを学ばない(スキルが限定的)
・モチベーションが低い
・過去の権威をふりかざす
・周囲の士気を下げる言動がある
・組織にしがみついている など

ただし、これ「高齢者」に限ったことではないですよね。若年層でも同じような問題社員はいます。(便宜上、このメルマガの中では高年齢で上記の行動が見られる人たち“を“高齢者”という表現にしています。)

一方、「高齢者側」の理屈で考えてみると、その置かれている状況からすると上記のような行動・態度になるのは当たり前の環境だったりします。

以下の図は私が作成した「モチベーションが低くなる」構造図です。



「③の組織の評判が悪い」を除くといずれも「高齢者」が置かれている立場・状況にあてはまりませんか。高齢者が“活き活きと働く”ことを阻害する要因を取り除く。これをやりませんと、目の前の「高齢者」対策を終えたとしても終わりません。次から次へと課題を抱える“高齢者”が現れます。

この構造を解消する一番の施策は「年齢条件の撤廃」です。昇進、昇格の基準から年齢要件を外すこと、年齢による賃金ダウンを止めること、役職定年、定年などを止めること、です。まさに“年齢は関係ない”という世界にするのです。そうなると「高齢者の活用」問題は概ねなくなるはずです。

概ねと書きましたのは加齢による肉体の衰えから特定作業にあたらせるのがふさわしくないものがあるからです。こちらは個々の状況判断でよいと思います。(80歳でもバリバリの技術者もいますし。)

実際問題として、スキル面での課題を抱える「高齢者」もいると思います。これも当たり前です。ポータブルスキルのトレーニングをしてきていないのですから。ここは、適切なスキルトレーニングにより、相当程度改善するはずです。ポータブルスキルがないところに新たなスキルといっても無理です。

ということで、“高齢者”を生み出す構造に手を入れる、目の前の“高齢者の実力アップ”ためのトレーニングを実践すること、この2つのアプローチが有効だろうと思っています。


おまけー1:朝学の会(毎週月曜日の朝7時から8時)を1か月やってみました。なかなか良い感じです。週の初めにこの手のことがあると一週間が締まる感じがします。

おまけー2:盟友の治山正史さん(はるやまホールディングス社長)が「きちんと楽ちん テレウエア」(小学館)を上梓されました。私も帯でコメントさせていただきました。テレワークでの着こなし術です。是非、ご覧ください。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09310670



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