936号「アフターコロナ、戻ること、戻らないこと」(メールマガジン「人事の目」)


朝7時5分発広島行のANA便の中で書いています。6時過ぎに羽田空港に着いたのですが、すでに大混雑。朝の6時ですよ。ビックリです。前日に長野往復したのですが、東京駅も信じられないくらいの人出がありました。旅行熱がホットです。コロナ前に“戻った”以上の感があります。WBCもすごかったですね。その前の東京マラソンもそう。スポーツ観戦、参加も戻った感があります。

働き方はどうでしょうか。毎日定時に通勤する働き方に戻りましたか? コロナ下よりも出勤割合は多少増えたものの、リモートワークと出勤のハイブリッドのまま。つまり“戻っていない”会社が多いのではないでしょうか。

リモートワークによって、仕事とプライベートの両立を実感した人も少なくないと思います。この間、副業の動きも活発化しました。これらの働き方の変化はコロナが強引にもってきた進化だと思っています。進化した以上、なかなか元には戻れません。

この進化を経て、“働く”という概念の潮目が変わったと感じています。従来は誰かに雇われているという意識の、いわば“他律労働者”としての“働く”でした。就職した会社(上司)の指示に従い、自分の時間を費やす、自分の意に反することであっても社命であれば遂行する、仕事のためにプライベートを犠牲にするもやむなし。その報酬をもらうという感じでした。会社の方が上の立場。だからこそ労働法なるものがあり、働き手の権利を守ろうとしているわけです。モチベーションは社内での昇進、昇格でした。

そうでない意識の人が以前よりも増えたと感じています。この人たちは会社の立場が上だとは全く思っていません。雇われているではなく、その場を自分が選んだという意識です。会社がやろうとしていることに共鳴共感しているから、または自分の成長機会になるから所属しているだけです。副業機会を利用して、他のこともやっています。所属会社の高い役職に就きたいという野心も薄いです。その一方で成長意欲は旺盛で自分で自分を高めています。いわば”自律労働者“です。

多くの企業の経営者たちが「指示待ちになるな、自ら課題を発見せよ」と叫んでも、人事制度をはじめ、マネジメントのあり方が「他律労働者向け」であったので、なかなか自律型労働者が活躍しにくい環境でした。ルールを守れ、言うことを聞けと。そこにリモートワーク、副業解禁があり、潮目が変わりました。“自律労働者”たちが覚醒し、静かな革命(そこが違うなら辞める)が進行しています。

この革命は止められません。そうなったときに、人事制度を旧来のままにしていると自律労働者たちから選ばれなくなくなります。マネジメントのあり方を遠心力型にし、人事制度を自律型労働者(プロフェッショナル)向けに変えた方がいいと思います。

2月27日のセミナー「生涯現役!プロフェッショナル型人事制度」のアーカイブ映像の編集が終わりました。こちらからご覧いただけます。(57分くらいあります。)みなさんの人事制度改訂のご参考になれば幸いです。

https://youtu.be/kFoWZvx4KoU


おまけー1:某所でのインタビューで私。「新人のときの主たる業務はなんでしたか?」
「熊の撃退でした。」(若い女子)
「ほー」(驚く私)
「で、聞いてください。私が異動してから危険手当がつくようになったんですよ。」
「危険手当?」
「熊にぼかんとやられるからです。」

おまけー2:外出後、映画「贖罪の神様」の「腋毛ボーボー、自由の女神!」を3回すると花粉がとれると力説する人あり。

おまけー3:乗車したタクシーのシートが激熱。
「シートの温度下げられます?」と私。
「熱いですか?」
「ちょっと。」
「まあ、そんなもんです。」(熱いままじゃん!)

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