871号「叱られるうちが華」(メールマガジン「人事の目」より)

最近、誰かから叱られたたことはありますか?

それなりの年齢になると誰も叱ってくれなくなります。組織の中でそれなりの役職についてしまうと、叱られるどころか意見すらしてもらえなくなってしまいます。特にオーナー社長になると、まず誰も叱ってくれません。叱ってもらえるうちが華です。

10年ほど前のことですが、とある方にどえらく叱られました。電話で3時間、対面で3時間。私史上最長です。その方は日本を代表する知の巨人のお一人。よく報道番組でコメントしていらっしゃいます。ご著書もたくさんあります。素晴らしい方です。

何故、その方にどえらく叱られることになったのか。事の次第はこうです。

当時所属していた会社で経営諮問委員会を立ち上げることになり、その方に委員長をお願いしようということになりました。以前より存じあげていたので、直接ご連絡をさしあげ、その趣旨をお伝えしたところ、ご多忙にもかかわらず快諾いただきました。ここまでは問題ありません。その後がいけませんでした。

我々の都合で日程は変わるわ、アジェンダは変わるわ・・・。さすがに堪忍袋の緒が切れるとはこのこと、第一回の経営諮問委員会の前日の夜に私の携帯が鳴りました。そこから3時間叱られました。

3時間に及んだのは私のせいです。

度重なる変更について正されたときに、私が言い訳をしてしまったのです。不手際をお詫びしつつも、誰かのせいにするような言い訳をしてしまったのです。そこに“自分は悪くない”という心根がありました。それについて叱られたのです。

自分が責任者として関わっていることでご迷惑をおかけしていることは明らかでした。しかし、その原因は自分ではない(”自分は悪くない“)という想いが心のどこかにあったのだと思います。それを見抜かれ、その精神について叱られたのです。自分はこれだけのことをしているのだから、という驕り。そこを指摘されたのです。

翌朝、この方の事務所に朝駆けしました。事務所の前で待っていた私をお部屋に入れてくださり、その後3時間叱られました。叱られたというよりも諭されたと言った方が正確です。最終的には「出ていけ!」と言われ終わりました。強烈な体験でした。

この体験は心に深く刻まれました。いまでも思い出します。物事に対する姿勢を正してくれたと思います。
ありがたい経験でした。その後数年経て、この方との関係性は回復しました。いまでは年に一度程度、その方のご自宅にお邪魔しています。誰かに真剣に向き合い「叱る」意味を教えていただけたと思います。

先日、某所で某若者を叱りました。最後には会食の場から出て行ってもらいました。彼がこの体験を糧にしてくれることを期待して。


おまけー1:自転車に乗って買い物に出かけたときのことです。正面から自転車に乗ってきたおじさんがずっと私の顔をみています。すれ違うときもずっと見ています。その後、後方でガッシャーンという音がしました。(“私は悪くない”)

おまけー2:“1,980円です。現金ですね?”とタクシーの運転手さん。“はい、2,000円”と千円札を2枚渡したところ、“お釣りいります?”。やられました。次からは“お釣りはいりません。”と先に言おう。

おまけー3:ポータブルスキルの磨き直し、心のもちようのリセット。PHAZEリカレント年内最後の説明会を12月21日(火)の朝7時から行います。2022年、自分のリセットをお考えのアラフィフ以上のへ。ぜひ!
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