990号「育ててもらえる力」(メールマガジン「人事の目」)

先週はあちこちで、真新しいスーツを着こなせていない、どことなく不安げ、明らかに新入社員という雰囲気の若者と街中で遭遇しました。彼ら彼女らには一生で一回きりの「新社会人になった緊張感」を楽しんでもらいたいものです。

さて、今日のメルマガはこの4月に新社会人になった人たちへのメッセージです。(よろしければお近くの新人に見せてあげてください。)

これからの1年をどう過ごすか。これがこれからのビジネスパーソンとしての導線を決めます。新人の特権を大いに活用しましょう。新人の特権、それは“失敗が許容されること”です。自分はできないから・・・と足手まといになることを怖れずにどんどんチャレンジして、失敗からたくさん学びましょう。(ただし、同じ間違いはせいぜい2回までですが。)

何でもいいので“役に立つ存在だ”と思ってもらえるように頑張りましょう。それこそ、

“資料の整理なら任せてください!”
“宴会の幹事は任せてください!”
“重い物運びなら任せてください!”

何でもいいのです。~なら、***さん、というイメージができれば儲けものです。覚えてもらえます。
覚えてもらえればチャンスが巡ってくる可能性が高まります。

“チャーミングだ”と思われることを意識してください。それは外見的なことではありません。

“全力でやっているな”
“自分優先ではないな(自分を正当化する言い訳をしない)”
“闇練(誰も見ていないところで努力している)やってるな“

と思われると周囲のあなたを見る目が変わります。

経験豊富な人から“育てたい”と思われるかどうか。これが自分のビジネスパーソンとしての成長スピードに大いに影響を与えます。まずは覚えてもらう、次に一緒に仕事をしてみようと思ってもらえるか、です。

“育てる”ということは自分の時間をあなたのために使うと決断することです。忙しい人の時間をもらえるのですから、こんなありがたいことはありません。

先日某TV局で昨年国民的ヒットとなったドラマのIプロデューサーと話す機会がありました。その人が誇りにしていることがありました。そのTV局に名物監督と言われている人が3人いるそうですが、その3人全員に付いて仕事をした経験があるのは自分だけである、ということでした。

これはすごいことです。どこの世界にも“名人”級の人はいますが、特定の人に付いてしまうとなかなか他の人と一緒に仕事をする機会が生まれないものです。他の人がある意味で遠慮して(この子は**さんの子だから)、指導しないものなのです。それを3人全員とは! これはIさんがそれぞれの人に認められた“子”だったということです。「育ててもらえる魅力」があったということに他なりません。

成長の70:20:10という言葉があります。自分の成長に与える影響の大きさを表現した言葉です。7割は「何を経験するか」、2割は「誰と働くか」、1割が「研修、勉強」です。誰と何の経験をするかが、ほぼすべてです。その「何を」の機会をつくってくれるのは「誰と」の「誰」になります。

学校みたいに、待ってたら手を差し伸べてもらえることはありません。自分を「育ててくれる人」を見つけましょう。そのためにやるべきことはこのメルマガの前段に書いてあります。すべて自分次第です。


おまけー1:「入社1年からの仕事の流儀」(2016年に書いた本ですが、よろしければお薦めください。)
https://00m.in/bjgcl

おまけー2:最近は壮大なエープリルフールがないなーと思っていたところ、4月1日に出席した某団体の理事会が無効であったという知らせが。もしかしてあの理事会はエープリルフールだったのか・・・

おまけー3:大谷翔平がヒットを打ったときのポーズは「キケポーズ」と言うらしいですが、ヌートバーのペッパーミルパフォーマンスの方が気合が入りますね。

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