ソチオリンピックも終盤。さすがに深夜まで起きてライブで応援する競技は限られます。
たいていの方は、朝起きて、スマホで気になる結果をチェック。その後でTVで見る、
という動きになっているのではないでしょうか。
こうなってくると「新聞」はますますキツイ。存在意義が薄れます。コンビニでスポーツ
新聞の一面をチラ見すると明らかに周回遅れ。今朝、広島駅のキオスクで見かけた一面は
「感動!浅田真央選手のフリー」的なものばかり。浅田選手情報はネットでもたくさん目に
していますし、少なくとも演技そのものの映像で5回以上、試合後の浅田選手のインタビューも
数回見ています。”あ、あれね”という感覚です。これだと手が伸びません。
たぶん内容はそれなりに深いものなのでしょうが・・・ちなみに2013年のスポーツ新聞の
発行部数は387万部。10年前が559万部なので30%強落ちています。(社団法人新聞協会調べ)
TVも主役にはなりきれません。オリンピックばかりやるわけにはいきません。他のニュースも
あります。スマホの情報収集サイトだと自分が知りたいことがパッとわかります。
スマホが主役になるのは当然です。
自分が知りたいニュースがパッとわかる。だからスマホに手が伸びる。その前提には、今、
何が行われているかを知っていて、更にそれに関心がある。だから、ふとしたときに自ら
その情報を取りに行くのです。
この構造を社内コミュニケーションに活かさない手はありません。
多くの企業・団体で行っている社内コミュニケーションはその媒体が紙の社内報から
イントラネットに代わっただけです。印刷代が減ったことで良しとしてはいけません。
社内コミュニケーションの目的は「知っておいてもらいたい情報をタイムリーに共有すること」ですが、それだけではありません。動的には”戦略の実行力強化”、静的には”望ましい風土づくり”です。
事業会社の経営者時代のことです。「社内コミュニケーションはどうなっているの?」と聞き、
社内の担当者から”イントラネットに上げてあります”と得意げに説明され、吹き矢で打ちたく
なりました。そもそもイントラネットになったことで忙しい人(仕事上のエース)はイントラネットなど見れません。
経営が期待する社内コミュニケーションは、知ってほしい社員がその情報に関心を持ち、
自分で情報を取りに行く、そういう状態をつくることです。”イントラネットにあります”
だと担当者のアリバイづくりに他なりません。
ここは次元の違う試みをすべきだと思います。今よりもカネはかかります。しかし、それによって戦略の実行力が高まり、収益が上がれば良いではないですか。
(”税率を下げると税収が増える議論”と考え方は同じです。)
まずは社内コミュニケーション専門のチームをつくりましょう。社外から人を採用しましょう。社内の人間にやらせますと、先の”イントラネットに載せてあります”系の人になりがちです。雑誌づくり・新聞づくりをやっていた人を外部から採用します。
紙媒体の世界は完全に斜陽で、ヒトが余っています。これは、書き手の書く力や企画力が
落ちているのではありません。紙媒体のビジネスモデルが崩壊しているからです。紙媒体は
広告媒体としての価値を訴求して成立している”広告モデル”だからです。ここが崩壊しているのです。だから”食えない”のです。活躍の場を探している彼ら彼女らを活用しましょう。
その上で、社内の人が”読みたくなる”ような仕掛け(社内販促)を展開してもらい、惹きつける
内容、打ち出し方にしてもらいましょう。媒体はスマホがいいですね。知りたいときにパッととアクセスできます。この仕組みづくりは外注しましょう。この仕組みをつくれる(つくりたい)システム会社もたくさんあるはずです。(情報セキュリティの問題は別次元で検討しましょう。情報の社外流出を怖れて、社外からの社内情報へのアクセスを完全に制限するのは単純すぎます。そこは最新のセキュリティ手法を活用しましょう。)
10年以上前に支援した某多国籍企業の日本企業買収後の融合プランを検討する席で、日本法人社長になるフランス人が、”え、社内コミュニケーション組織ないの?”とビックリした顔をしていたのを思い出します。
彼らは日本企業よりも、幹部クラスの報酬が激高く、社内コミュニケーション、人材育成への
出費も多いです。それなのに全体の営業利益率は日本よりも高い。この辺りのカラクリに注目
した方がよいでしょう。マクロな経費削減は無理なダイエットと同じで力が出ません。
もう予算作業終わってしまったかもしれませんが、どうかご一考を。
おまけー1:人が目に止めるのは関心があることだけ。だからタイトル、キャッチコピーは重要。その通りです。先日、新刊本の打ち合わせ中に担当の編集の方から、
“参った狸は目でわかるみたいな感じでお願いします。”と。(さすが。)
おまけー2:小学校の試験。
「インドや中東でよく食べられており、平たいパンのような食べ物で、カレーと良く合う食品はなんですか?」という問いに
「はい、そうです。」と答える素直さには〇をあげたい。
おまけー3:「おまけー2」の情報が気に入った方へ。