ダメな組織の特徴とは?転職前に確認したい、避けるべき職場のポイント5選&見極め方

転職活動をしていると、気になるのが転職先の企業風土。企業サイトや公式SNSなどを見て良い職場だと感じても、実態は大きく異なる場合もあります。

そこで今回は、クライアント企業の組織開発をサポートするIndigo Blueより、「企業の外から見てもわかるダメな組織の特徴5選」をご紹介します。

具体的なチェック項目と方法もご紹介しますので、転職後に「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、参考にしてください。

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ダメな組織の定義と5つの特徴

ダメな組織の定義と5つの特徴

一口に「ダメな組織」といっても、人によって思い浮かべるイメージは異なります。この記事では、ダメな組織を以下の要素が揃った組織と定義付けます。

【ダメな組織の要素】
1. 社員が職場を”自らの居場所”だと感じていない
2. 企業が社会から好意的に見られていると感じない
3. 成長実感がない

上記のような組織は、社員が企業に対して肯定的な帰属意識を持てず、業務を通じた自己成長も得られないことから、自律的に働く意欲も能力もない状態に陥っている可能性があります。

このようなダメな組織を外から見分けるための特徴として、以下5つがあげられます。

【ダメな組織の特徴】
1. 社内の風通しが悪い
2. 社員が組織を大切に思っていない
3. 業績が上がっていない
4. 成長機会が少ない
5. 人事制度が年功序列のエスカレーター方式

それぞれの詳細を確認してみましょう。

1.社内の風通しが悪い

1.社内の風通しが悪い

ダメな組織の要素の1つ「社員が職場を”自らの居場所”だと感じていない」組織は、社内の風通しが悪く、社員同士のコミュニケーションが不足しています。

人間関係のストレスを抱えやすく、仕事に対するモチベーションも低い状態です。

以下の特徴がある場合は注意してください。

【チェックポイント】
□会社を訪問したときに、社員の顔色が暗い、挨拶がない
□オフィスで社員同士の話し声がほとんど聞こえない
□管理職・リーダー層の属性が偏っている
(年代、性別、プロパー・中途入社者の比率など)

来客に対して誰も挨拶をしない、社員同士の笑い合う声が聞こえない、といった様子がうかがえる企業は黄色信号です。

転職活動中の方は、ぜひ選考中に一度はオフィスを訪問し、社員同士の対話の様子などをチェックするとよいでしょう。

2.社員が組織を大切に思っていない

2.社員が組織を大切に思っていない

「社員が職場を”自らの居場所”だと感じていない」組織では、所属している社員が自分の会社を大切に思っていません。

自律的に貢献しようという意識がわかないため、仕事に創造性を発揮できないばかりか、問題が見つかっても自ら解決しようとしないなど、様々な問題を引き起こす危険性があります。

以下のポイントを参考にしてください。

【チェックポイント】
□オフィスが雑然としている
□出戻り社員が活躍している場合はプラス評価
□リファラル採用があり、活用されている場合はプラス評価
□アルムナイの制度があり、活用されている場合はプラス評価

オフィスを居場所と感じられなければ、自分から整理整頓をしたり、心地よい環境を作ろうとしたりする意識が芽生えません。そのためオフィスに清潔感がなく、訪問時に荒れた印象を受けることが多いでしょう。

リファラルやアルムナイ制度の有無、実績などは、企業の採用サイトやIR情報などで確認できる場合があります。

3.業績が上がっていない

3.業績が上がっていない

企業の業績に関しても注目しましょう。業績や数値が全てではありませんが、良い組織は成果を上げやすく、また一方で業績が苦しいと組織や風土の歪みが生まれやすくなってしまうことが否めません。

業績不振の会社、将来性を感じない会社に所属した状態で、「うちの会社で働けることが誇らしい」とは感じにくい側面もあります。

企業の経営状態は、上場企業であれば決算報告書や投資家向けのIR資料などで確認できます。しかし、もっと注目すべき点として、以下があげられます。

【チェックポイント】
□何年も新しい業態に挑戦していない場合は要注意
□新商品・新サービスを開発していない場合は要注意

既存の商品・サービスで現在の経営状態は安定していたとしても、挑戦をしていない企業は市場の変化に対応できなかったり、技術革新に乗り遅れたりして、将来的な成長を逃す危険性があります。

顧客ニーズ、テクノロジーの進化などの外部環境に適応する企業努力をしているか、企業サイトや販売商品などから調査してみましょう。

4.成長機会が少ない

4.成長機会が少ない

ダメな組織の定義である「成長機会が少ない」組織は、社員が自律的に学ぶ制度や風土がない傾向にあります。

スキルや経験を積むことができないため、優秀な人材ほど流出しやすく、企業に残る人材のスキルやモチベーションも低い状態になりがちです。

成長機会が多いのか少ないのかに関して、以下の点が参考になります。

【チェックポイント】
□仕事への自己申告制度(公募制度など)の有無
□社員の育成計画や制度が充実しているか
□新しいプロジェクトや挑戦的な業務は多い?少ない?
□役職者が固定化されていないか
□昇格の機会が限られていないか
□定期的なフィードバックの機会があるか

社員のキャリアパスや育成制度については、企業の採用サイトを確認したり、転職エージェントなどから実績を確認したりするとよいでしょう。制度自体はあっても、実質的に運用されていない企業もあるため、注意が必要です。

5.人事制度が年功序列のエスカレーター方式

5.人事制度が年功序列のエスカレーター方式

「成長機会が少ない」組織の2つ目の特徴として、旧来型の年功序列でエスカレーター式な人事制度が漫然と運用されている傾向があります。

現在の社員の実力や貢献度と報酬や待遇がマッチしないため、優秀な若手社員が活躍できない、高給取りな「窓際社員」への不満が募るなどの弊害が生まれがちです。

企業の人事制度を可能な限り確認し、以下の特徴がないかチェックしてみましょう。

【チェックポイント】
□過去の成功者たち(=年長者)が組織の頂点に君臨し、意思決定をしている
□年齢や年次に関わらず昇給・昇格できるしくみがない
□賞与が「月〇か月分」などの月額比例で、個人の実績を反映しない

年功序列の人事制度がすべての企業でNGというわけではありません。事業内容や組織風土によっては、うまく活用されている場合もあるでしょう。

ただ、「クリエイティビティや実力主義を謳っているのに報酬は年功序列」など、組織が打ち出す方針と制度設計にミスマッチを感じる場合は要注意です。

転職前にダメな組織を見極める具体的な方法

転職前にダメな組織を見極める具体的な方法

ここからは、転職前にダメな組織を見極める具体的な方法を3つご紹介します。

【ダメな組織を見極める方法】
1. 採用サイトやIR情報を確認する
2. 転職エージェントを活用する
3. 選考時に会社訪問をする

それぞれで確認できる情報、確認時の注意点などもチェックしてください。

1.採用サイトやIR情報を確認する

企業の採用サイトには、転職を希望している人にとって有益な会社の制度や風土に関する情報が多数記載されています。また、IR情報では現在の業績や今後の事業方針なども確認できるため、環境に応じたチャレンジを続けている企業であるかをチェックできるでしょう。

【確認ポイント】

数字関係従業員数や売上の推移、年齢・性別の割合、女性管理職比率、離職率、有給取得率 など
制度関係人事評価制度、労働制度(フレックスなど)、育成制度、公募制 など
事業関連財務諸表、事業概要と戦略、重要なプレスリリースやニュース など

匿名の口コミサイトなどの情報をうのみにせず、企業が公式に発表している情報を入手するように心がけてください。

2.転職エージェントを活用する

企業の事情に詳しい転職エージェントに、内部事情を確認する方法もあります。

特に、企業側と求職者側を1名の担当者が仲介する「両面型エージェント」は、企業とのリレーションが強く、「ココだけの情報」を把握している場合があります。過去に紹介して早期離職してしまった人の実例など、参考になるリアルな情報を入手できるでしょう。

【確認ポイント】

企業の実情各種制度の運用実績、残業の実態、社風、管理職のキャラクター など
求める人材像活躍する社員の特徴、人材像から見える社風・風土 など
退職者の理由マッチしない人の特徴、ネガティブな社風 など

ただし、転職エージェントから得られる情報がすべて真実とは限りません。あくまでも企業の実態を判断するうえでの1つの判断材料と捉える必要があるでしょう。

3.選考時に会社訪問をする

転職活動時には、内定承諾までに一度はオフィスを訪問するようにしましょう。面接を対面で実施してもらう、社員とのカジュアル面談やオフィスツアーを設定してもらう、内定条件の交渉を対面で実施してもらう、などの方法があります。

せっかくリアルにオフィスを訪れる良い機会ですので、特に以下の点をチェックしてください。

【確認ポイント】

働く人の様子社員の顔色、挨拶、話し方、コミュニケーションの取り方 など
働く人のエピソード社員が感じる働きがい、大変なこと、成長実感、制度の活用事例 など
オフィスの様子整理整頓されているか、コミュニケーションのしやすさ、デスクの配置 など

面談相手だけでなく、廊下ですれ違う社員の様子、デスクで作業するみなさんの表情などに注目することが大切です。

組織を壊すダメなリーダーの特徴も要チェック

組織を壊すダメなリーダーの特徴も要チェック

最後に、上司になる可能性のある管理職についても、「ダメなリーダー」の要素がないかチェックすることをおすすめします。

ダメなリーダーは、社員の成長機会を奪い、モチベーションを下げ、組織風土そのものを悪化させる危険性があります。

上司となる予定の管理者とは面接時に顔合わせをする可能性が高いので、以下の点をチェックしてください。面接予定がない場合も、内定承諾前に一度は会っておくことをおすすめします。

【ダメなリーダーの特徴7選】
1. 明確な判断を示さない
2. 謝罪しない
3. ”二枚舌”で誠実性がない
4. 前例に対して盲目的に従う
5. 異なる意見に対して攻撃的になる
6. 一方的な指示を出す メンバーの”今の姿”を見ない

面接時には、特に「1.明確な判断を示さない」「4.前例に対して盲目的に従う」「5.異なる意見に対して攻撃的になる」などの観点をチェックしてください。

ただしダメなリーダーほど二面性があり、短い時間で見極めるのが難しい可能性があります。不安に感じる場合は、転職エージェントなどの第三者に相談したり、ランチ会などより人柄のわかりやすい機会を設けてもらったりと、工夫するとよいでしょう。

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「組織をダメにするリーダーの特徴7選と成長を促す方法」

組織風土は一朝一夕に変わらない。転職前にしっかり確認を

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以前よりも転職のハードルが下がった昨今ですが、やはり何度も転職を繰り返すのは労力もコストもかかるもの。

安易に転職先を決めて「ひどい会社だった!」と失望することのないよう、外からでもわかるダメな組織の特徴をおさえておきましょう。

組織の風土は一朝一夕に変わるものではないため、一度ダメな組織に入社すると長く辛い思いをしたり、意図せず早期退職しなくてはならなくなったりするリスクがあります。

企業の公式な発信情報、第三者の意見、そして最後は自分自身の目で、しっかりと企業の風土をチェックしてください。

記事監修

瀧谷 知之(Indigo Blue 取締役)

トーマツ コンサルティング(現デロイト トーマツ コンサルティング)に入社し、通信ハイテク業界の戦略立案/変革支援に従事。 その後ジュピターTVを経て、ツタヤオンライン、TSUTAYA、カルチュア・コンビニエンス・クラブで経営企画/経営戦略室長として、ネット事業領域を中心に戦略立案や事業改善、新規事業企画、赤字事業の再建/撤退、M&A等を手掛ける。 2010年に株式会社コラビーを設立し代表取締役CEOに就任のほか、パス株式会社の代表取締役COOおよび各グループ会社の代取/取締役を経て現在に至る。今までに上場企業含め9社の代取/取締役を経験している。


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