1069号「AI時代の人事マネジメントのありよう」(メールマガジン「人事の目」)

急に寒くなりましたね。毛布や冬服の一部をクリーニング屋さんにお預けしているのですが、取り寄せが間に合いません。環境の急変。人事マネジメントの世界もそうですね。AIの導入はその象徴です。

生成AIの登場によって、「人が担ってきた知的労働」の多くがAIに置き換えられ始めました。「知っていること」や「正確に処理できること」が優秀と評価された時代は終わります。これからは「学び続ける力」と「人間関係構築力」が、より重要な要素として浮上してくると思います。

AIは膨大な情報を処理し、最適解を導くことに長けていますが、問いを立てたり、他者の感情に寄り添ったり、異なる立場を調整しながら新たな価値を創り出すことはできません。だからこそ、人間が磨くべきは“人間らしい知性”です。学び続ける力とは、変化を恐れず、自ら学びを更新し続ける姿勢。人間関係構築力とは、他者と対話し、協働し、知恵を掛け合わせる力です。この2つこそが、AI時代において重要な「力」になるとみています。

今後の企業で求められるのは、「専門性 × マネジメント力」という二軸の掛け算です。AIが業務の効率化を担うほど、マネジャーには異なる専門性を束ね、チーム全体で価値を創出する力が求められます。管理よりも「統合」と「共創」がキーワードになります。人事制度もこれに呼応して進化しなければなりません。従来のように年功や一般的な職能で評価する仕組みから脱し、学びの継続力、共創行動、専門性の深度を軸にした新しい評価体系へと移行する必要があります。

「所属部署」という概念も薄くなっていくでしょう。部や課といった固定的な枠組みは、かつての安定期には有効でしたが、変化が激しく、越境的な連携が常態化する現代にはそぐわなくなっています。社員は「部署に属する人」ではなく、「専門性をもったプロフェッショナル」として、プロジェクトベースで流動的にチームを組む。AIが情報の橋渡しを担い、人が関係性と創造を担う、そんな組織運営が主流になると私はみています。

昇格という概念も見直す時期に来ています。私は数年前から、ポストの増減や年齢によって一方通行的に階段を上る仕組みではなく、毎年の成果と実力を“更新認定”していく制度に変えていくことを提唱しています。たとえば、特定領域の専門性(これをジョブファミリーと称しています)の深度を年ごとに認証する仕組みです。これは「常に今の自分をアップデートしていく」認定型の発想です。AI時代の人材育成とは、ポストを与えることではなく、学びと成長の証を毎年刻み続けることだと私は考えています。

日本社会は若年層が減少する一方で、65歳を超えても元気に働ける人が増えています。定年という線引きを前提にした制度設計ではなく、年齢や立場に関係なく、意欲と能力に応じて貢献できる制度へ転換する必要があります。経験豊富なシニアがプロジェクト単位で知見を提供し、若手がAIを駆使して新しい価値を創る・・・、そんな世代融合の職場が、これからの理想的な姿ではないでしょうか。

おまけー1:とあるデザイナーズホテルではすべて間接照明。日が落ちるととても暗いです。
「これ以上明るくはならないんですか?」とわたし。
「はい、落ち着いたムードを演出しています。」とタイ人とおぼしきゲストリレーションの女性。
「なるほど。で、コンセントの位置がわからないのですが・・・」
「明るくなってからみてください」

おまけー2:カバンの中で紙ボトルから水が漏れPCが水びたしに・・・(驚)

タクシーの中で気づき、オフィス到着後すぐにPCの乾燥手段をとりましたが、カメラとカーソル機能が死亡・・。(涙)その後のわたしは完全にアナキン・スカイウォーカーがダースベータ―に落ちた状態に。
「目が超細くなり、テンションが超下がり、すべての事柄にネガティブに反応する」というダークサイドに落ちました・・・

(ところが「May the Force be with you」と書いたポストイットを貼って一晩おいたところ、治りました!!!(狂喜))




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