管理職にありがちな、仕事を頼む上司側の問題
誰かに仕事をお願いしたら却って大変なことになった。そのリカバリーに追われる。こんな経験がありますよね。管理職の大半が抱えている問題だと思います。
一人では量的、質的にもやれることに限界があります。そこで誰かに自分の仕事の一部をお願いするわけです。身近な部下、アシスタントにお願いする。お金を払って外部の人にお願いすることもあるでしょう。ところがです。多くのケースでその“誰か”の仕事に満足できません。自分が思っているような質、内容、やり方でないからです。ついにはその仕事を取り上げ、自分でやることに・・・。想定外の工数が増える(戻ってくる)ので大変です。不満が倍増します。ストレスも溜まります。頼むんじゃなかった。あいつはわかってない・・・。
こうなってしまう原因は「仕事の頼み方」「頼む側の意識」が7割です。
アウトプットイメージを共有していない、納期を明らかにしていない、そもそも発注側が何をすべきかはっきりしていない等の超基本ができてきないことがほとんどです。職人意識が強すぎて、自分と全く同じようにできないと気に入らないのもそうです。
因果応報。つまり、自分が悪いのです。大変なことになったのも自分のせいなのです。それにもかかわらず、お願いする側の人を替えてなんとかしようとしてしまう。気がつくと周囲にお願いできる人がいなくなる。よくある展開です。
こうした頼む側の問題をどうすべきかについては世の中に指南書がたくさんあります。私も拙著「もしかしてブラック上司?」「上司の“当たり前”をやめなさい」に書きました。
仕事を頼まれる側の問題
今回は3割の「頼まれる側」の問題を書きます。特に役職定年者など比較的高齢の人に仕事をお願いしたときに、若い上司たちが(心底)困っていることを書きます。
“手がかかりすぎる。”
ちょっとしたことでも自分で調べず周囲の人に聞く。特にIT系にこと。これまで上位職だったときの意識が残ってしまっています。たいていのことはネットで検索すれば出ています。それでもわからないときに聞く。この姿勢に改めましょう。
この点は私も大いに反省すべきと思っています。周囲の人の時間を食うことなくやるよう意識しています。(ちなみにキュウイの皮の剝き方もネットに出ていますので、それを見てマスターしました。)
”確認を求めない“
自分が最終判断者だったときの意識が残っています。発注者である上司の確認を求めずに外に出してしまう。外に出す前に必ず見てもらう。これを意識しましょう。自分のアウトプットが未熟で上司に“赤を入れてもらう”という性質のものではありません。プロフェッショナルファームで言うところの「Peer review」です。つまり、別の目で見てもらうことで誤字脱字、抜け漏れなどを確認してもらうという意味です。特に若い上司のセンスで進めていることでしたら、自分が気づいていないことがあると思った方がよいでしょう。
“上達しない”
PCスキルなどいつまでたっても上達しない。こうしたことは年齢関係ありません。年齢のバリアは自分の心のもちよう次第です。“闇練”しましょう。Learning never ends!です。
・・・ということで、アラフィフ以上のみなさん。“ブラック部下”にならないように気をつけましょう。
おまけ
おまけー1:「ゲキカラドウ」なるドラマをNetflixで配信されています。緩いドラマですが、つい見てしまいます。いかにもテレ東“深夜枠”的なドラマです。面白いですよ。
おまけー2:日本企業の管理職の働く力 調査分析レポート【 無料版 】 「会議マネジメント力」編をIndigoBlueから出します。ぜひ参照ください。
https://indigoblue.co.jp/whitepaper2107/
執筆
Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。
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