衆議院議員選挙の結果から見えてきたことがあります。自民党の大物が落選、立憲民主党が議席を減らし、維新の会が大躍進でした。関西テレビが維新の会躍進の理由を次の3点だと解説していました。橋下氏超えの「吉村人気」、明確な岸田政権批判、地方議員や首長の増加による「足腰の強さ」。うーん、それもあるでしょうが、ちょっとステレオタイプですね。
(総務省の人口動態資料から独自に作成)
総務省の人口動態を見てみました。5年前と比較してビックリです。若者が増えています。20歳から34歳までの若者が46万人も増えているのです。この年齢で生まれることはないので、5年前に国外にいた人が日本に戻ってきているということになります。間違いなくコロナの影響ですね。一方で60歳から69歳の年齢の人が47万人減っています。高齢者が減り、海外の異なる生活様式に慣れた若者が増えた。その数がほぼ同じ。これが大衆の意思決定、行動に何らかの影響を及ぼしているのではないかと考えています。
ボリュームゾーンが今や70歳から74歳。しかも、ここは58万人減っています。この層は「握手した政治家」「自分の話を直接聞いてくれた政治家」に投票する層だと思います。海外で過ごした若者は、当然ながら「政策」重視だと思います。選挙カーで昼間に大声で名前を連呼されたりすると、迷惑(絶対に投票しない)と感じる層です。ここに気づかず選挙戦を展開したことに自民党と立憲民主党の減速要因があるのではないかと思います。(政策重視の若者からすると、共産党を含めた野党共闘は特に理解不能でしょう。)
コロナによるニューノーマルの風、人口動態の変化。これからの数年で本当の「変化」を体感することになると思います。最も影響があるのはマーケティングです。これまでと同じことをやっても、期待以下の反応になるでしょう。今までのやり方であれば、ある程度読めます。ただし、停滞します。期待以上にはならないでしょう。費用対効果という点では悪化します。思い切って新しい試みをする。大成功するかもしれませんが、大失敗する可能性もありません。やってみなければわかりません。さて、どうしますか。
「今日と明日のバランス」を今まで以上に真剣に考え、変化に備えましょう。
変化に備えるためには、組織内の意思決定プロセスや情報フローを変えた方がいいでしょう。上意下達は最も取り残されるやり方です。「上」はなにしろ過去のエースです。過去の常識感で考えていては停滞から抜け出せません。変化している現場(顧客接点)の動きを体感している人が意思決定者になるように変えましょう。過去の貢献が社内の格付を決める人事制度も見直しましょう。ありとあらゆることを「未来志向」に変えましょう。それこそが喫緊の課題です。
おまけ:某ホテルで打ち合わせランチ中に起きたリアルコント。
(某クレジットカード会社のオペレータと電話中のこと)
私:そのパスワードはなんですか?
オペレータ:****
(通りがかった)ウエイトレス:XEMGです
私:あ、すみません。もう一度お願いします
オペレータ***/ウエイトレス:XEMGです
(ウエイトレスに向かって)私:あ、そっちじゃなくて。
オペレータ:別のですか?
私:あ、そっちではなく
ウエイトレス:(結構大きなささやき声で)X・E・M・Gです!
オペレータ:X・E・M・Gではありません
私と打ち合わせ中の人:(ウエイトレスに):ちょっと黙っててください
ウエイトレス:携帯電話の使用はお控えください。
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