872号「伝わらない理由」(メールマガジン「人事の目」より)

以前にもご案内しましたが、対人感受性を刺激し、開花させるためのプログラムを開発しています。

きっかけはOT(体験型ケーススタディ)です。そもそもOTを受講する人達は社内で将来が嘱望される方々です。優秀なのは間違いありません。OTの中でも理路整然と正論を述べ問題を解決しようとします。ところがその人が伝えようとしたことは伝わりません。事態はむしろ悪化します。

話している内容は全く問題ありません。問題はその“伝わらなさ”です。

この“伝わらなさ”はなんだろう? 関係者と話しました。OTはご存じの通り、プロの役者が演じる人物との交渉、相談、説得が求められます。役者たちに聞いてみました。

「**さんが話しているとき、どんな感じだった?」
「いやー、言葉が飛んでこなかったですね。」
「言葉が飛んでこない?」
「はい、これ下手な役者でもあります。台詞は間違ってないのですが場が成立しない。そんな感じです。」

言葉は相手に向けて発するものです。それにより、自分の想いを伝えるわけです。その言葉が飛んでこないとはどういうことなのでしょうか。受け手側がその言葉を受け止めるのを拒絶している場合もあります。今回はそれではありません。発信側の問題です。

“発信側が相手を意識し、相手に届けようと思っていない”のです。自分が話していることは正しい。正しいことを言っているのだから相手が受け止めようとするのが当然だ、という深層心理がそこにあります。優秀な人ほどこの傾向があります。

自分の話す内容に注力し過ぎて相手を見ていないということもあります。緊張や経験の浅さがその状況を生みます。これは相手に届けようと思う以前の問題です。

さらに“否定されたくない”“攻撃されたくない”という想い、これもあるでしょう。防御しているのです。その姿勢から“腹を割っていない”と相手が感じます。腹を割っていない相手にはこっちも腹を割らない。伝わるものも伝わらなくなります。あるいは誤解を生みます。

腹を割っていない様子は表情、話し方に現れます。ちなみに、表情、話し方については「表情で語る」「周囲を明るくする」というプログラムで表情や話し方の重要性を理解し、スキルとしてトレーニングすることはできます。(こちらのプログラムは1時間程度のオンラインプログラムで提供しています。ご興味がある方はお知らせください。)ただし、これは根本にある心の鎧を脱いでいることが前提となります。

心の鎧は先の「否定されたくない」「攻撃されたくない」という想いと「自分を実体よりもよく見せたい」「弱みを見せたくない」という想いから装着していきます。小さい頃から優秀であることを求められてきた人にはそれがこびりついています。そういう人がリーダーになると「弱みを見せない(人間味がない)」人になります。これらをなんとかしたいと思っています。その想いから開発しているのが「NECT」です。

「他者に対して自己開示し、話をすることが苦手」
「相手の意を酌んだコミュニケーションができるようになりたい」

そんな方々に向けて、自分を「開き」、他者とのコミュニケーションを良好に図れるようになるためのプログラムです。これまで数度トライアルを実施し、だいぶ形になってきました。

このたび2時間半バージョンの最後のトライアルを開催します。1月8日(土)15日(土)10時から12時半(Zoom)です。関心のある方はひご参加ください。(参加費は無料です。フィードバックをお願いします。)

■申し込み方法: 下記フォームよりお申し込みください
https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=X8GG1iNxVUKAwulZXeI73zIuVsQvyNZCrKfk-cwIOQxUNjcxSkxPQUQxOFRNNFhLWDFaMEhSRUFXUyQlQCN0PWcu
(申し込み者が多数の場合は抽選となります。)

おまけ:本日より8日間、OFFとなります。(超久しぶりのお休みです。)



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