その通りだ、と思いました。1月3日の日経本紙の論説、“減価償却から「増価蓄積」へ デフォルトを変えるZ世代”のことです。書かれたのはコメンテイターの中山淳史さんです。(ネットで検索すればまだ読めるはずです。)
要約するとこういうことです。これまで自動車や家電といった耐久消費財は減価償却が当たり前でした。買った時が最も価値が高く、時間の経過とともにその価値が目減りするものだと。これからはアップデートを通じて、むしろ価値が高まっていく、つまり「増価蓄積」志向になるだろうと。
これはIoT時代だからこそできることです。しかもエコです。
論説の中ではZ世代がハイライトされていましたが、私はZ世代に留まらないとみています。世代に関係なく、感度の高い人たちからこの考え方を志向するだろうと思います。耐久消費財メーカーや関連サービス事業者は“コペルニクス的転回が求められますね。
耐久消費財メーカーとその関連事業者と書きましたが、すべての事業において「増価蓄積」を意識すべきだと思います。事業者にとって販売・提供は完結ではなく、始まりになります。“当たり前”が変わるのです。
この変化を自分事にしたいですね。
コロナ以降、“当たり前”という大きな氷壁が解け始めたと感じています。きっかけはリモートワーク、リモートアクセスです。集まって仕事をする、人を集めることを前提にビジネスをする、コロナにより、この当たり前が継続できなくなりました。やむを得ず“リモート”でやってみたら“できた”、“想定外の恩恵もあった”、こうしたことから、“当たり前”を鵜呑みにしない人たちが出てきています。私もその一人です。
今後、いろいろな“当たり前”が変わっていくと思います。人事制度についてもそうです。コロナで副業解禁に拍車がかかりました。いまや、副業者、業務委託者などいろいろなステイタスの人が集まって仕事をすることが珍しくなくなりました。そうなると正社員という意味がどんどん希薄になっていきます。そうなると社内の格付も意味が希薄化します。
今後は社内に閉じた格付けから、社内外関係ない実力基準によるオープン格付が適用されていくだろうと思っています。市場価格に合わせて報酬を支払うために、企業の枠を超えて役割責任の大きさを基準にするという考え方に似ていますが、対象が違います。ジョブではなくヒトの実力が基準となるのです。では、その実力をどのように判定するか、各個人は自分の実力をどう高めていくか、これが課題となります。2022年、私もこの課題の処方箋を考えていきたいと思っています。(そのうち、人事の目読者によるオンラインブレスト会を企画したいと思っています。)
おまけー1:年末から早朝のジョギングを再開しました。日が昇る前なのでとにかく寒いです。なので、防寒マスクをアマゾンで購入。装着したところ、どうみてもファブルの偽物。(職質受けるわー)
おまけー2:近所の公園にお年寄りたちが集まってラジオ体操をしています。おなじみのピアノのイントロに続いて、「ふわぃ!」と絶叫する人のことが気になっています。この人は節目で「ふわぃ!」とデカい声で叫ぶだけで体操していません。しかも、なぜかいつもやっているのが第二です。
おまけー3:私がひいきにしている音楽座ミュージカルが2月12日(土)、13日(日)と赤坂の草月ホールで「過去のダイジェスト・オムニバス公演」をやります。お薦めです。ぜひぜひ。
http://www.ongakuza-musical.com/
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