887号「がんばれ、ホテル業界」(メールマガジン「人事の目」より)

37年前の春、新宿の京王プラザホテルに新入社員として入社しました。入社と書きましたが、実態としては「拾ってもらった」というのが正しい表現です。なにしろ、前日に内定していた他社の内定を取り消され(今ならありえない会社都合で)、途方にくれて「何でもいいので採っていただけませんか?」、とお願いして入れていただいたという経緯だからです。

全く想定外の展開でホテルマンとして社会人をスタートしたのですが、振り返ってみると、それが良かったと思っています。ホテルという業態は自分に合っていたと思います。それだけでなく真の勉強になりました。ホテルにゲストとしていらっしゃる様々な社会人に触れることができたこと(それも圧倒的な数)、ホスピタリティなるものを考える機会があったこと、疲労と疲弊は違うことを実感できたこと・・・、とても良い経験でした。

いろいろな機会にお話ししていますが、京王プラザホテルの人事時代に社員食堂で色とりどりのユニフォームに身を包んだ社員たちが(5分で食べて戻ってこい!にもかかわらず)談笑している姿を見て、この人たちに“幸せになってほしい”と思ったことが、私のビジネスマンとしての原点のような気がします。

京王プラザホテルを離れてからは、“ホテル業界で働く人たちに幸せになってほしい”という気持ちに変わり、今でもホテル業界のイベントでお話しさせていただいたり、業界横断の研修をお引受けしたりしています。

2年前の4月に宿屋大学主催のイベントでホテル業界向けに緊急提言をしました。コロナなるものがホテル業界を震撼させると思ったからです。実際そうなりましたね。緊急提言の中で今後は以下の4つがキーワードになるとお話ししました。

Destination/Just stay・Eat
(ホテルそのものが目的地になるか、ただ泊まるだけ・食事するだけになるか、どちらかを極めよ)
“あの人がいるから”
(ホテルは人なり。顔となるスタッフいてこそ、利用したくなるもの)
体験価値
(それがないと、最も重要な選択基準が「価格」になる)
“Immersive(没入)”
(ゲストが自分の日常を忘れられる瞬間を創れ、これはリゾートだけではない)

コロナ期間中に「ワーケーション対応」「アパートメント対応」「リモートワーク用のデイユース」「部屋飲み企画」「ホテルからのデリバリーの多様化」など、各社様々な施策を実行しています。保守的なホテル業界にしては素晴らしいことです。緊急対応を超えて、そろそろImmersiveな体験価値の提供を考えてみてはいかがでしょうか。

三間(さんま)という言葉があります。時間・空間・仲間を総称する造語です。子供たちが遊ぶ時間や場所が失われ、友達が少なくなったことを「三間がない」と表現するようになりました。この「三間」はレストラン、宴会場などの設備をもっているホテルが新企画を考える際の大ヒントだと思います。三間がなくなったのは子供だけではありません。大人もそうです。コロナから解放されつつある今こそ、企画し訴求するときだと思います。

さて、業界誌の「週刊ホテルレストラン」を発行しているオータパブリケイションズの
岩本大輝執行役員から「ホテルの朝食のあり方」について一般利用者の声を聞きたいとの
相談がありました。人事の目の読者のみなさんのご協力をお願いいたします。

https://jp.surveymonkey.com/r/HOTEL_Breakfast_2022

おまけー1:人間ドックの結果が「でぶ」から「標準」になりました!体重は変わりませんが、内部が変わってきました。やはり、運動は裏切りませんねー。

おまけー2:とある名店にて。
「アレルギーとかありますか?」(名店のマスター)
「***とか、***がちょっと。」(と私のゲスト)
「うちのは大丈夫だから。」(マスター)
(何のために聞いたんだろう。)

おまけー3:控室に入ったら、とっても明るい安村さん、アキラ100%さんと一緒という夢を見ました。

 

 

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