892号「老害」(メールマガジン「人事の目」より)

老害。困ったものです。私も60歳になってしまったので、気を付けないといけないと痛切に思っています。

‐ 一つ前の常識で考えてしまう
‐ 同世代の話を信じがち
‐ こうあるべき/しなくてはならない、を押しつける
‐ 頭ごなしに否定する 等々 

旧世代の特徴的な「困った行動例」です。特に困るのは、組織の中で高い位にある人が若い人を“潰す”ことです。自分よりも活躍しそうな人がいると、その人から機会を奪う、とんでもないことです。

この4月、某県某所で学校側の評価がすこぶる高い教育長が、ある長老議員の工作により再任されないという事態が起きました。また、某社で長らく現場の責任者だった人が別の機会を求めたところ、上から法的な脅しまでかけられました。更に、某オーナー企業で見事に再建をリードした執行責任者が些細な出来事を理由に降格されました。

いずれも良く知る人だったのですぐに連絡をとり、直接話を聞きました。とんでもないことが自分の身に起きたにも関わらず、恨み言なく、不徳の致すところ、と話していました。彼らは決して若くはありません。50代後半です。50歳代後半の逸材を潰す老害。余計に腹が立ちました。

これらの背景にあるのは老人たちの嫉妬と保身です。自分の立場が脅かされることを怖れての愚行。未来を破壊する行為です。その背景に「自信のなさ」が垣間見えます。今の立場が自分の存在価値そのものになってしまっているので、そこから降りること=自分のアイデンティティの喪失となり、立場にしがみついているのでしょう。

周囲も老害とわかっていながらそれを諫めない。老害者たちも不幸です。おそらく自覚はないでしょう。ただ、その神通力が落ちたときに舞台から引きずり降ろされることになります。これはこれで残念な結末です。老害をもたらしている方々が自省できる機会をつくりたいですね。

アラカンの人で、他者から「I don’t think so.(私はそう思いません)」と意見されると感情的になってしまう人は要注意。老害をもたらす“素質”大です。それが実害をもたらす前に自制

しましょう。


おまけー1:国際フォーラムにある相田みつを美術館で「人の為と書いていつわり「偽」と読むんだねえ」という言葉に遭遇。(自省する良い機会になります。)

おまけー2:老害で検索してみたら「老害 島耕作」にヒット。最近まったくフォローしてなかったのですが、どうした島耕作?

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