941号「マイナーチェンジは限界。人事制度を見直そう。」(メールマガジン「人事の目」)

最近とみに思います。人事制度が企業の進化の足かせになっていると。制度疲労そのもの。マイナーチェンジの限界に来ていると思います。

顧客価値を高め続けること。これが企業の成長には欠かせません。顧客価値の源泉は自社の専門性です。その専門性を体現しているのは自社のスペシャリストたちです。スペシャリストたちが自らの専門性を高め、新たな価値を創造し続ける。これが自社の顧客価値を高め続けることにつながるはずです。ところが、人事制度のベクトルがそっちを向いていません。ゼネラリストの上位職を処遇し、育成することが主眼になっています。スペシャリストの社内的な位置づけがゼネラリストよりも「下」なのです。

ごく一部の優れたスペシャリストを「高度専門職」として処遇している企業があります。ただし、その実態は”“優れたスペシャリストをキャリア採用したが報酬が合わないので別扱いとした、社外から引き抜かれないように別扱いとした”だと思います。“社内の人材もそこを目指せます”いう設計になっていますが、人事制度にその道筋がありません。

自社のビジネスモデルやアウトプットが大きく変わらない時代では、ゼネラリスト優遇に合理性がありました。社内の様々な部署を経験させて全社視点を養い、そこで健在化した問題を解決し、かつ社内の人的ネットワークを構築させることが優れた上位職を育成することになり、優れた上位職が組織を導くことが自社の成長発展につながっていたわけです。これは、過去の経験に照らして考え判断する「過去志向」のやり方です。

いまは違います。VUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、目まぐるしく変転する予測困難な状況)と言われて久しいですが、「未来志向」であることが強く求められています。





さらに社内のことなら誰よりもわかっている経験豊富な上位者の指示に基づき動くという「求心力型」のマネジメントを長らくやってきたことにより、“全力でご指示をお待ちします!”というリアクティブな人材集団になってしまっています。特に同じ人が長くトップの座にある企業はそうなりがちです。社会情勢や顧客よりもトップの顔色を見ながら仕事をする癖が社員たちについてしまっています。

これも“社内のことをわかっている”人が上に立つ制度を運用してきた当然の帰結です。

未来志向でいきましょう。スペシャリストが0から1を生むことを奨励し、その動きを育む人事制度にしましょう。2月27日に新たな人事制度のあり方、設計の仕方についてのLIVEセミナーを開催しましたが、この問題意識によるものです。

20年ほど前にマーサー社長時代に「役割責任に基づく人事制度設計」をたくさんやらせていただきました。今はその時と時代要請が異なります。未来志向の人事制度への改訂を支援していきたいと思っています。

この新しい人事制度の導入支援を一緒にやっていただける方を募集します。フリーランスの方、副業の方、長らく人事の現場にいて問題意識を持っておられた方、一緒にやりませんか。

https://indigoblue.co.jp/contact/ こちらで「その他」を選択いただき、お問い合わせ内容の欄に人事制度導入を一緒にやりたい、とお書きください。(問題意識もお書きいただけるとありがたいです。)

おまけ:https://youtu.be/kFoWZvx4KoU
(2月27日の人事制度セミナーの様子です。)



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