940号「新人を生かすも殺すも職場次第」(メールマガジン「人事の目」)

4月も第3週。新人たちが会社に慣れてきた頃かと思います。私が聞くところでは、研修期間中に退職したり、メンタル不調を訴える新人が例年よりも多いようです。コロナの影響ですね。学生時代にリアルな対人経験が不足している中で、いきなり大人数での研修。これに面食らってしまう人がいるのはわかります。今年の新人研修では、従来よりもきめ細かく接する必要がありそうです。休み明けがピンチ。個別面談をして、各人の精神状況を確認することをお薦めします。

さて、社会人になってからの3年間。この3年間をどう過ごすか。これがその後のビジネスマン人生に多大なる影響を及ぼすとみています。そのポテンシャルが開花するか、腐るか。それが決まる3年だと思います。

ポテンシャルある人材の特徴に以下の3点があります。

• 吸収意欲が高い(自分自身が開いている)
• ひたむきに取り組んでいる
• 当事者意識を持っている

入社時点では多くの新人が(その強弱はあるものの)この3点を持ち合わせています。ところが配属されてしばらくすると、そのポテンシャルが曇ります。吸収意欲が薄れ、適当にこなし、自分の意見を持たない人材になっていきます。

これは環境の問題です。先輩たちがそうなのです。“朱に交われば赤くなる”とはこのことです。新人育成の最重要項目は研修プログラムではなく、新人を受け入れる職場の意識を高めておくことです。有為な新人になると、自分の意思で“朱に染まらず”、職場の雰囲気に幻滅して転職準備を始めるでしょう。

新人に対して配慮し過ぎるのもよくありません。ストレッチさせることもなく、指導ない、いわゆる“ホワイト過ぎる”会社からデキる人材が流出していますよね。

先輩社員のみなさんへ。

新人は経験が不足しているだけの同僚です。できるだけ多くの経験をさせる、その経験から学べるようにする。この基盤が対話です。対話を重ねましょう。これらを職場の全員が意識して新人に接すること。それが自分が所属するチームの総合力を高めることになり、結果的に楽になります。

課長やチームリーダーのみなさんへ

今からでも遅くありません。新人を受け入れるにあたって、どうあるべきか。望む展開、望まない展開はどういうことか。自分たちはどうあるべきか。これらについてディスカッションしておきましょう。1時間でいいです。各人の仕事を止めて話す場をもちましょう。

先日、某所で「プレゼン1000本ノック!」なる研修を中堅の方々向けにやってきました。3つの課題に3人で取り組み、5分プレゼンを私に対して行います。私から「合格!」と言われるまで何度でもチャレンジしてもらいます。制限時間内に3つ合格がでないとチームとして失格、というものです。

課題に集中して取り組み、スキルを学び、成功・失敗体験をしてもらう3時間でしたが、みなさんの表情が変わりました。課題を提示し、その成果の評価をし、良いものに対しては猛烈に褒める。このプログラムで私がやっていることを日常業務の中で課長やチームリーダーのみなさんがやると、チームの雰囲気が圧倒的に変わりますよ。

経営者のみなさんへ

多大な費用と労力をかけて採用した新人を生かすも腐らすのも受け入れ側次第です。採用コストのROIを高めること。これを意識しましょう。


おまけー1:新居がオフィス街にあるため、ランチタイムになるとお弁当屋さんがたくさん現れます。その中でも一日500食限定の「海苔弁」がとても美味しい。2日リピートしてしまいました。
https://oedobento.com/

おまけー2:アラフォー以上の学び直しのPHAZEリカレント9期説明会を19日(水)の18時からやります。ここは私が説明します。ぜひご参加ください。「PHAZEリカレント 説明会」で検索を!

 

 

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