945号「Organization Theater®」(メールマガジン「人事の目」)

Organization Theater®(体験型ケーススタディ、通称OT)を開発して10年余経ちました。手前味噌ではありますが、すごいプログラムを創ったなあ、と思います。過去に体験した方から、”あの時の体験は忘れません“とよく言われます。感情の揺らぎを伴った学びは忘れません。

OTは受講生5名から6名を架空の会社の経営チームとし、その会社に起こる危機的な状況を乗り越える疑似体験プログラムです。ケーススタディなので、背景情報があり、財務資料があり、課題が発生します。ただし、普通のケーススタディとは大きく違います。

OTではプロの役者が株主、メインバンク、行政、社員、メディア、行政などのステークホルダーに扮して登場します。受講生たちもケースの登場人物になりきって、役者扮するステークホルダーと対峙することになります。このリアル感が大きな学びになります。

“あちら立てればこちらが立たぬ”状況、責任の所在がはっきりしない中、その責任を問われる状況、判断を誤ると一気に会社が傾く状況、怒ったり、泣いたりしている利害関係者への対応を迫られる状況・・・、次々に難局が迫ってきます。経営チームとして、これらに対応しながら会社を良い方向へ導けるか。超高密度な2日間になります。

ケースなので一応のストーリーは用意されていますが、受講生たちの対応いかんで展開が変わります。役者は大変ですOTでは台本はあるようでありません。なにしろ受講生たちが台本通りに動いてくれません。役者としてはその人物に成りきっていただく必要があります。(このためにOTの本番の前に勉強会や稽古を重ねます。)状況次第では新たなシーンや資料が必要になります。裏方も相当大変です。その場で作成し、受講生たちに投げ込んでいきますので。

コロナ禍にはこのOTを完全オンラインで実施できるようにしました。リアルの臨場感に勝るとも劣りません。
オンラインなので海外や地方在住の人も参加できるようになったのは大きいです。

主として選抜人材の見極め(アセスメント)、有事対応の訓練として活用いただいていますが、一番の効能は受講生自身の気づきです。有事になったときに、自分がどうなるのか、これを自覚します。

“わかっていたのに動けなかった”
“財務諸表読めると思ってたけど、使えなかった”
“自分の話し方や言葉が状況を悪化させた”

こうしたコメントを終了直後にもらうことが多いです。OT後、弱みを補填する学びへの渇望感が生まれるだけでなく、OTを体験しておくことで有事のときの感覚が経験として蓄えられることも極めて有効です。

利害関係者の中には日本人以外のキャラクターも登場します。買収した海外子会社の外人社長、外国人メディア、投資家など。こうした人たちとの英語による生きたやりとりが刺激的です。“英語”ではなく、“ビジネスを英語でする力”が問われます。TOEICは低スコアですが、KKD(気合、根性、度胸)で素晴らしい交渉をする人がいます。こういう人の方が実際のグローバル環境でのビジネスで成果を出せる人だと思います。


先週オンラインでOTの機会がありました。久しぶりに、私自身がキーファシリテイターといういわば演出と舞台監督をやりましたが、OTは最高の学びの場だと再認識しました。ケース終了後に集合し(ケース開始後初めて)顔を合わせて、2日間のターニングポイントごとに“どうすればよかったか?”という議論のファシリテーションをしました。深い気づきと学びになったと思います。

(OTのご案内はこちらから)
https://indigoblue.co.jp/service/organization-theater/
まだ体験されていない方にはぜひ!体験していただきたいです。

7月以降になると思いますが、このOTをこれまで以上に知っていただく(体験いただく)
機会を用意したいと思っています。

おまけ:
6月2日(金)17時から18時半の枠で
特別オンライン講義 「半径3m以内の人間関係」(講師:北海道大学講師 鈴木育美さん)を開催します。(主催:一般社団法人PHAZE)

・若者世代とのコミュニケーションに悩む方々に最適です
・半径3m以内の人間関係を改善することが「不正」防止にも役立つことをお話いただきます。
(お申込みは以下よりお願いします。)
https://coubic.com/narukyoto/610113



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