974号「年齢別人口構成論を無意味にする」(メールマガジン「人事の目」)

日本の大企業、団体の人口構成を見るに、ボリュームゾーンは中高年。しかもその大半が管理職。 “上が詰まっているので、いつになったら上のポジションにつけるかわからない”。健全な野心を持つ中堅社員の不満と不安が年々大きくなっていきます。これは不健全です。放置しておくと優秀な若手が辞めます。

この状況を変えましょう。

年齢別人口構成論を“意味がないもの”にしてしまいましょう。“**歳になったら管理職でしょう”、とか“**歳で役職定年でしょう”とか、“**で定年退職ですね”・・・これらをすべて死語にしましょう。そもそも日本の人口動態を見るに、何歳だからどうのという年齢別人口構成論を続けていくこと自体に無理があります。

これからの日本企業・団体が目指すべきは「年齢関係ないプロ集団」です。知力、気力、体力に問題がなければ、年齢関係なく普通に働く組織にしましょう。仕事の出来栄えについては、優劣あると思います。これも年齢関係ありません。年齢が高くても劣っているところを改善できるのであれば全く問題ありません。ちなみに、この人たちをプロフェッショナルと私は名付けています。

知力は申し分ないが、気力・体力が続かなくなったという場合には「インパクトプレイヤー」として働いてもらいます。「インパクトプレイヤー」とはラグビーの日本代表で使われた言葉です。試合途中から出場し、効果的な活躍でチームに勢いをもたらしている選手たちを“控え選手”と呼ばずにインパクトプレイヤーと称しています。ビジネスにおいてもそういう働き方があって良いと思っています。

プロフェッショナルの人たちは特定領域における専門性がある人です。この特定領域のことをジョブファミリーといいます。ジョブファミリーは会社によって異なります。自社のバリューチェーンを構成する専門要素(機能)がありますね。この専門要素(機能)がジョブファミリーになります。

すべての社員は、自分がどのジョブファミリーに属しているかを自覚し、その専門性を高め、深めることが自分の処遇を高めると認識するようにします。基本報酬の高低はこの専門性の高低で決めます。この決定については毎年ないし2年ごとの認定が望ましいです。昇格運用にすると、どうしても年功的な色彩がでてしまいます。昇格という概念はなくしましょう。毎年の認定です。

毎年の認定は専門性を通じた実力のランキングで決めます。このランキングを実施するための評定チャート(評価表)をジョブファミリーごとに整理しておきます。

ジョブファミリーをまたいで活躍し、時に新たなジョブファミリーを創り出すことができる人がいます。超優秀な人です。こういう人のことをスーパーゼネラリストと呼びます。

プロフェッショナル、インパクトプレイヤーたちが動機づけされ、思う存分力を発揮できる環境を整えるのがマネージャーとなります。マネージャーもマネジメントという一つの専門性(ジョブファミリー)と捉えることができます。

一定年齢になったらお役御免になる、というルールは社員たちを引退に向けて準備させるやり方です。若い人たちが続々と会社に入ってきた時代の産物です。中高年がボリュームゾーンの会社では社員の大半が引退準備モードということにもなりかねません。そうなると、AI時代に求められる変革が進むわけがありません。あと数年で引退する人と思っている人が従来のやり方を変える労をとるわけがありませんから。

「年齢関係ないプロ集団」に組織を作り変えましょう。いつでもご相談に乗ります!

こうしたシン・人事制度(と私は命名しています。)の今年最後のオンラインセミナーを18日(月)の12時から13時の枠でやります。まだ間に合います。お申込みは以下より。
https://indigoblue.co.jp/lp-hr-system/


おまけ―1:郷ひろみ(68歳)さんのコンサートに出かけてきました。郷さんの“心の強さ”を感じました。
2024年、自分より年齢が上で活躍しているアーティストのLIVEにいろいろ行こうと思っています。

 

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