これまでも何度か書いてきていますが、人事制度を見直さないと「人事制度が企業の成長の足かせ」になると思っています。
「ゼネラリストの管理職を育成、処遇する。」。 これがこれまでの人事制度の基本思想でした。社員の格付基準は職能から役割責任の大きさやジョブへと変遷してきていますが、この基本思想は変わっていません。
これを「その道のプロフェッショナル集団にする。」に変えましょう。
AIが仕事環境の中に入ってくると、これまでとは次元の異なる変化が企業にもたらされるはずです。自社の決まったビジネスモデルを最適化するだけではおぼつかなくなるでしょう。これまで以上に変化の潮流を読み、スピーディに自社を適応させていく。これが企業の成長に欠かせなくなると私は見ています。
それを一部の経営陣や管理職が担うやり方(求心力型マネジメント)では変化の兆候を見逃しかねません。なにしろ経営陣の管理職の大半が過去の成功者たちです。成功体験から生まれる先入観は時に新たな変化の兆候を見えなくします。しかも、経営陣となると現場から最も遠い存在です。
変化の先行情報は常に顧客接点にあります。AI時代の今、顧客接点に近いところで潮流の変化を読み、試行し、その成功体験、失敗体験を組織にタイムリーに共有するやり方(遠心力マネジメント)を指向すべきです。
潮流の変化を先読みするには、それなりの専門性が必要です。組織内の全員が自分の専門性(強み領域)を意識し、それを高め、深めることを指向する人事制度に変えた方が良いでしょう。
さらに今の日本の人口動態を考えるに60歳から65歳は定年、というやり方は合っていません。若手がどんどん入ってくるので上は退出というエレベーター構造はもはや現実的ではありません。意欲があり、実力を発揮できるのならば、年齢関係なく、活躍できるようにした方がいいに決まっています。
人事制度の基本思想を「年齢関係なく、自らの専門性を発揮するプロフェッショナル集団にする」に変えましょう。プロフェッショナルという言葉を使っているのは、誰かの指示を待つというリアクティブな姿勢ではなく、自ら動くプロアクティブな姿勢をもつことを奨励したいからです。
ゼネラリストについては、プロたちが生き生きと働く場を創り出すスーパーゼネラリストを一つの専門性として考えるようにします。スーパーゼネラリストは専門性の掛け算による新たな価値創造も担う、極めて優秀な人達に限定します。現行の「ゼネラリストの管理職を育成・処遇す」る制度下では、“中途半端なゼネラリスト”が大量に生まれます。これは本人にとっても不幸です。“何でもできる”ではなく、“何も強みがない”人材になり、ポストオフ後のビジネスマン人生が寂しくなります。
今のままだと、既存のビジネスモデルを守る集団のままです。環境変化が著しい中でも自社を適応進化できる企業・団体になるためにも人事制度を変えましょう。
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おまけ:会社がやれることは制度を変えること、成長支援の場を作ることに限られます。
あとは自分次第です。
生涯現役で楽しく働いていきたいなら、ポータブルスキルを磨き直し、心のもちようをリセットしましょう。
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