961号「言葉の力」(メールマガジン「人事の目」)

言わないようにしている言葉があります。

“めんどくさい” です。

最後にこの言葉を発したのはいつか覚えていません。少なくとも15年以上言っていないと思います。

言葉の力は想像以上です。“めんどくさい”と言う言葉を発して、その言葉を聞いてしまうと、本当に億劫になり、動けなくなります。

優れている人とそうでない人の差は紙一重だと思います。能力的な差はほとんどありません。人柄もそうです。ただ、思いついたら行動するかどうか、この差だと思っています。

“あの人に連絡しよう” と思ったときに、すぐに連絡するか?
“走ろう” と思ったときに、すぐに走るか?
“掃除しよう” と思ったときに、すぐに掃除するか?
“**について調べよう” と思ったときに、すぐに調べるか?
“あのレストランに行ってみよう” と思ったときに、すぐに行ってみるか?

そこで行動を起こすかどうかでだいぶ変わります。“めんどくさい”と思った瞬間に行動にブレーキがかかります。
人の心は弱いものです。行動を起こすのは、それなりにエネルギーを必要とします。楽な方に流れがちです。それを強力に助長するのが“めんどくさい”という言葉です。怖くて使えません。

以前は意識して“疲れた”という言葉も使わないようにしていました。最近は使います。年齢のせいではなく、“疲れた”と発するのは休息を必要としていることを自覚する、無理しない、ということにつながるからです。

現在50歳以上の人の多くが“我慢すること”を美徳として育てられてきました。私もその一人です。つい我慢して無理をしてしまう。これは良くありません。周囲に迷惑をかけることになりかねません。この自分の中に根付いている良くない性質を制御するために、敢えて“疲れた”という言葉を発するようにしました。ただ、その頻度には要注意だと思っています。たいして疲れていないのに“疲れた”を連発してしまうと、自分のキャパシティが小さくなってしまいますので。

言葉は自分の心に大きな影響を与えます。誰かについてネガティブな話ばかりしていたり、ネガティブなコメントばかり聞いていると、自分の心の中にネガティブなイメージが出来上がってしまいます。ネガティブなことばかり考えていると、自分の周辺に起こることがみなネガティブに見えてきます。

先日あるところで、私の体験談をお話した後に“勝算はどのくらいあったんですか?”と聞かれました。私の回答は“勝算はいつもありました。確証はなかったけれど。” 

何かを始めるときにはいつでも、”絶対にうまくいく“と言葉に出すようにしています。もちろん、結果としてうまくいかないことも多々あります。ただし、その言葉の力で実行しているときに迷いや不安はなくなります。結果としてうまくいかなかったときには、“うまくいかなかったのには理由がある”と言ってみます。不思議なもので、それだけでうまくいかなかった失望感が消えます。

「言葉を発する。」自分の力を最大限発揮するための、最も簡単な自己暗示だと思います。


おまけー1:今日のメルマガを書いて反省したことがあります。個人タクシーを見るたびに“個人か・・”と過去のとんでもない体験を思い出しているから、さらにとんでもない体験を呼ぶのだな、と。先日も羽田空港まで移動し1万越え。クレジットカードを使おうと思ったら、“いま、壊れてるんで”と言われて、現金払いに。

これからは“個人タクシーにも素晴らしい運転手さんはいる”と声に出すようにします。

おまけー2:〝いのちの場から、社会を良くする〟志を抱く人が集う場MED Japanが開催されます。今年は10月1日です。とても勉強になる講話が続きます。私も聴講する予定です。誰でも参加できます。下記よりお申込みください。

 

記事はメルマガ「人事の目」で配信されています。

 

メルマガ登録(無料)はこちら

 

 

関連記事


TOP
TOP