964号「女性管理職を増やす?」(メールマガジン「人事の目」)

「企業の女性管理職の比率は12.7%。過去最高ではあるが、国際的にみてまだ低い水準にある。」厚生労働省が今年の7月に発表しています。

「2030年までに社会のあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合が30%になるように」という政府の指針がありますが、実態とはかなりギャップがありますね。

そもそも、男性女性問わずに管理職になりたくないという人が増えていると思います。主として若い世代の本音を整理してみました。

 

 

 

 

 



要は、立場が守られていない状況で、自分の意思と異なる働き方を強いられるが処遇が見合っていない。
自分にとってのWellbeingが脅かされる怖れがあるから、管理職にはなりたくないというわけです。

この意見を聞いて、直観的に“けしからん”と思う人は「雇ってもらってるんだから、滅私奉公すべし」という昭和の考えに毒されています。また、出世こそビジネスパーソンの目指す道なのに管理職になりたくないなんて意味がわからん、という方も同様です。

幹部がこの古い考えから脱却すること。これが管理職になりたくない若者を減らすことにつながります。管理職になったときに報酬レベルをジャンプさせることも必要です。また、管理職が気軽に経験者に相談できる体制も用意しましょう。前のメルマガで書いたインパクトプレイヤーの活用です。

上記に加え、女性の活躍促進ということであれば、まずは管理職になるのが活躍していることになるという考え方を変えるべきだと思っています。その道の専門家として余人を以て代えがたい人であれば十分活躍していることになりますよね。(政府の指針も“指導的地位”であって、管理職とは言っていません。)

これを推進するには人事制度をゼネラリストの管理職を育成・処遇する制度から、特定領域で高度な専門性を発揮するプロフェッショナルを育成、処遇する制度に変えた方が良いと思っています。
(この方向性の人事制度について解説する無料セミナーを10月16日(月)の12時から13時にやります。お申込みはこちらから。https://indigoblue.co.jp/lp-hr-system/

さらに、働く場所と時間の制約をなくす、ということが鍵になると思います。
このためにお薦めしたいことを列記します。

・基本的に課内全員リモートワークにする(出勤を妨げるものではない)
・週に一日、全員が集合する日を設ける(この日は全体会と管理職とメンバーの個別ミーティングとする)
・管理職が参加する会議は10時から16時の間に設定する
・会食はランチを推奨する
・その管理職に対して、上の人間は17時以降の予定をいれないようにする
・無理を可能にすることを美徳としないようにする
・24時間好きなときに仕事ができるようにする(ネットワークへのアクセス制限をつけない)

さらに、管理職だけでなく一般社員のポータブルスキル(「聞く」「整理する」「伝える」)のレベルを上げること。これにより、非効率なやりとりを減らすことができます。

女性の活用を推進するならば、人事制度の改訂を含め総合的な施策が必要だと思います。
もちろん、家事を手伝っている、という男性の意識が変わることも欠かせません。家事は手伝うものでありません。家族全員が主担当です。


おまけー1:金曜日に熊本往復しましたが、オオトカゲには遭遇しませんでした。

おまけー2:ANAで鬼滅の刃とのコラボをやっていますが、到着時に炭治郎やら伊之助らワーワー言うのが激うるさい。さすがに鬼滅の旬は過ぎましたよね。

おまけー3:某社で停車中のタクシーに「お願いしまーす」と声をかけたら、運転手さんが下りてきました。

 

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