Vol.438 1:Nの仕事をしよう!

年の瀬に仕事について考えてみました。

 

仕事には「自分が動くことで成果が出て、それで完結するもの」と「多くのヒトの成果に

つながったり、その価値が増殖したりするもの」があります。前者を「1:1」の仕事、

後者を「1:N」の仕事と私は呼んでいます。

 

今後の日本を考えると、「1:N」の仕事をするヒトが増えた方がいいと思います。

 

なにしろ「1:N」の仕事は、自分以外の多くのヒトの「仕事の機会」を創出しますし、

「1:N」の仕事では一度創りだした価値が増殖する可能性があります。

 

今後、生産年齢人口が減少する日本だからこそ、意図的に「1:N」の仕事の従事者を

増やす必要があります。そうでないと日本のGDPは上がりません。

 

「1:1」の仕事には、特別な医者や弁護士、プロスポーツ選手、高度専門職など、

その成果の質が高く、報酬も高い仕事もありますが、そのヒト限りです。他のヒトに

価値が波及するものではありません。経済効率的にはあくまでも「1:1」のままです。

 

「1:N」は違います。広がっていきます。しかも、その経済効果は曲線的に伸びる

可能性があります。

 

わかりやすい例が新たにお店や工場をつくること、これも「1:N」の仕事です。

なにしろ、そこに新たな雇用が創出されますから。新たな生活が生まれます。それが

総合的な経済効果の曲線的な伸びを生みます。従って、企業の事業拡大の仕事は「1:N」です。

 

また、プラットフォームとなる新しい商品やサービスを世の中に創出すること。

これも「1:N」です。例えば、iphone。部品、周辺作業、アプリ業者・・・

多くの「仕事の機会」が創出されました。

 

一度創りだした価値が増殖する代表例が本や音楽、ゲームといったコンテンツです。

PCやスマホのアプリケーションもそうです。一度、エネルギーと労力、時間を投入して

コンテンツを創り、それを多くのヒトが買えば買うほど利益率がどんどん向上します。

まさに「1:N」。

 

さて、12月1日に就活が解禁されました。未だに大企業・安定志向の学生が多いですね。

 

大企業に入社すると、暫くの間「1:1」の仕事をすることになります。会社そのものが

「1:N」の仕事をしていたとしても、個人としてはその中で「1:1」の仕事になります。

「1:N」の仕事に関心を持っている若い世代の方は、できるだけ早いタイミングで起業するか、

ベンチャー企業に転身した方がいいと思います。

 

先日、とある会合でこの手のブレストをしたときに「大企業は解体してはどうか」と

発言しました。

 

組織は集中と分散を繰り返しながら成長していきます。日本という産業構造を一つの組織に

見立てると、今は分散の時期ではないかと思っています。

 

組織が大きくなると、管理的な側面が強く出てきます。組織の中の役割分担が行われます。

誰かの指示に従って動くことが日常化します。組織の中で”気を遣う”ことも増えてきます。

 

これらは、価値創造を邪魔することはあってもプラスには働きません。

 

ベンチャー企業でそんなことをやっていたらたちまち立ち行かなくなります。

ベンチャー企業では、自分で考え、自分で行動し、自分で修正する。PDCAを自己完結

させないといけない環境がそこにあります。

 

大企業からベンチャーに転身して”使えない”人が多いのは、誰かのPDCAの中で動くことに

慣れきってしまっているからです。大企業という組織は「誰かに管理される」メカニズム

ですから、そこに長くいると当然、自分完結能力が鈍ってきます。これはいけません。

 

ということで若い世代や大学生向けに声を大にして「ベンチャー企業へ行け!」

と言いたいですね。

 

「1:N」の仕事に意欲がある人でも、給与が下げることを考えると現実的には・・・

という方の転身を支援するために、こんな支援策はいかがでしょう?

 

創業年数が若い、資本金が1億円以下の企業に務めた場合に所得税に「特別控除枠」

を設けて、チャレンジする人達を経済的に支援する。これがあると現実的な後押しに

なります。新政権でぜひ検討していただきたく。

 

 

Indigo Blueを本当の意味で本格稼働させて6か月。「1:N」の事業を実現すべく

頑張っていきたいと思っています。ネタはいろいろあります。柴田励司の「1:1」を

「1:N」にする仕事を本気でやってくれるヒトを募集します。(^_-)

 

 

2012年もメルマガをご愛読いただき、ありがとうございました。

2013年もよろしくお願い致します。よいお年をお迎えください。

 

次号は1月6日配信予定です。

 

 

おまけ‐1:今週の「日本語は難しい」:

某男性の言葉、”柴田さん、ジャグジーに一緒に入りましょう”。これだと確実に引きますが、

“柴田さん、お風呂にジャグジーありますよ。”だと(行こうか)と思います。

 

おまけ‐2:名古屋駅で”鹿のせい”で乗り換えの時間がなくなり、どえらい勢いで走っていた

ところ、”新幹線を良く使われる方へのご案内です。”某カードの案内の女性がどえらい速さで

伴走してきた。しかも、両手がふさがっているのに。(こうなると空気読むどころではない。)

 

おまけ‐3:今年のカラオケの歌い納めは”We are the world“。無理やりみんなで歌う。

しかし、これ名曲だ。

 

 

 

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