979号「多様な働き方と成長機会の両立:その2」(メールマガジン「人事の目」)

まずは、前号のまとめから。

世界中で増えるデジタルノマドはPC一つでどこからでも仕事ができ、米国労働者の約11%が自認しています。多くの国がデジタルノマドビザを発行し始めており、韓国も18歳以上で一定の収入と職務経験があれば申請可能です。日本も2023年度からデジタルノマドビザ導入を検討しています。これはリモートワークの普及と、家庭や私生活の充実に貢献する新しい働き方の実現を目指す動きです。多様な働き方の受容は人材の獲得と維持に重要な要素であり、仕事の品質と組織力の維持が大前提となります。(by ChatGPT 4.0)

リモートワークにより、常に同じ場所で一緒に働いているわけではない状況になると、サボる人間がでるかもしれない・・・。そう考える経営者のリクエストに応えて、リモート環境で働く社員のPCの状況をリアルタイムでモニターしたり、突然連絡してオンライン会議をしたり・・・。コロナ禍の最中は(私からすると)かなりの横暴がまかり通っていましたね。

多様な働き方を認めるということは、時間管理について働く人に相当程度委ねるということに他なりません。離れていても自分の監視下に置くという“囚人監視”のやり方は全くフィットしません。

今を去ること40年前、駿台予備校というところにお世話になっていました。古文で桑原先生という仙人のような先生がいたのですが、その方がこう仰っていたことを今でも覚えています。

「予備校生にとって夏休みは大事なときです。ただ、海に行きたいなら行きなさい。我慢はよくない。一日中、海で遊んでいいんです。ただ、夕方頃には胸が痛んでくるはずです。浪人中の自分が遊んでいていいのか、って。それが勉強の原動力になります。」

自分は何をすべきなのか。これさえわかっていれば善の心が動く、という教えでした。多様な働き方を許容することにしたのなら、経営がやるべきことはここからです。個々の社員に自分は何をすべきか、ということについて自覚してもらう。プロフェッショナルの集団であれば、そんなことをやらなくてもわかっていると思いますが、そうでない場合にはここからです。それをやらずしてサボると決めつけるのは人間性の否定になります。

善の心から、個々人が動くようになったとしても、その能力差により同じアウトプットに時間がかかる人、あっという間にできてしまう人が出ます。また、アウトプットは出せたとしても、そのクオリティにも差があるはずです。(ちなみに、ここで言う「アウトプット」とは仕事そのもののことです。)

この差を処遇面で反映させないでいると、「自分ばっかり仕事を押し付けられる」「あの人は働いていない」などの不満が噴出する可能性があります。この点について私はこう考えています。

アウトプットの質が標準以上であれば、時間管理はせずに成果の量で評価し報酬する。時短だろうが、週1社員だろうが、成果の量で評価します。アウトプットの質は高いが時間を要するという人であれば量をこなすことができません。そこで差がつきます。

アウトプットの質に課題がある場合、または誰かの指導が必要な場合には時間管理がフィットします。アウトプットの質は良くても納期に間に合わない人も同様です。(他の人が“尻ぬぐい”をしているはずですので。)働く場所、時間帯についても、管理者との相談で決めることにした方がよいでしょう。時短とする場合には報酬を相応に減ずるのがフェアさを担保します。









アウトプットを一人で出せる。つまり、一人前だと評定される人については「働き方は自由」で良いと思うのです。

さて、これを進めるための大前提があります。(次号に続く)

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