Vol.736「人間性が”?”な人を上にしてはいけない」(メールマガジン「人事の目」より) 

「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」 かの西郷隆盛の言葉として
知られています。ちなみに、原典は中国最古の歴史書「書経」だそうです。
2000年以上前に書かれたものですが、この人事原則は今も変わりませんね。

どんなに業績をあげる人であっても、その人間性に「?」がつく人を高い役職につけては
いけない。そういう教えです。しかし、これがなかなかうまくいきません。あちらこちらで
「人間性」としては「?」という役職者の話を聞きます。そうなってしまうのは、
業績評価と昇進・昇格評価を直属上司が一緒にやっているからです。

業績の良し悪しは対象者が所属する組織の長が判断するのが一番です。昇進・昇格は
別ものです。これは“相応しい”人でないと、昇格、昇進させてはいけないのです。
相応しいかどうかは、そのグレード、役職に求められる要件を充たしているかどうかの
判断になります。これこそ、トップ、部門長、人事の仕事です。

人事評価でA以上を3年連続してとると昇格要件が発生する。例えばこんな仕組みがあると
“間違い”を起こしやすいです。一般、一般上級、初級管理職、上級管理職のような括りが
あり、その中の昇格であればその運用でもよいでしょう。しかし、明らかに役割が変わる
ようなときには「求められる入学要件」の満たし具合の判断が昇格の是非を決めます。

もちろん、一定以上の業績を上げていることは最低条件として必要です。しかし、
それが決定要因になるわけではありません。あくまでも参考情報扱いです。

賞与が月例給のX倍といった設計になっているのも考え物です。月例給はグレードで
決まるものです。“相応しいかどうか”の判断で決まる月例給を賞与の算定基礎にして
しまうと、業績が良い人に報いるにはグレードをあげないと・・・という展開になりがちです。
そうではないのです。業績賞与はあくまでも業績に即して支払うものです。

おススメはこんなやり方です。業績賞与の原資を組織業績に基づき組織単位で配賦します。
各個人へは、その組織の中で組織業績への貢献度ランキングを作成して、そのランキングに
基づいて支払います。ランキングにあたっては、グレードは関係ありません。
メンバー全員について、総当たり戦で「どちらがより貢献したか」を判断して行うます。
これを簡便に行うツールがあります。マトリクスバトルといいます。

https://indigoblue.co.jp/wp-content/uploads/2018/04/tool_matrix_battle.pdf

さて、人事運用上の一番の課題は「徳がある」人をいかに育成するか、です。

次世代リーダー候補者を集めたプログラムの塾長を務めることがありますが、最も重視
しているのは「人間性」です。周囲から“あの人と働きたい”と思われるような人でないと
高い位の仕事は務まりません。塾の冒頭で次のことを話しています。

「目標にしたいすごい人になる」ことを目指してほしい。

そのために、以下を意識して欲しい。
「めげないこと(めげているように見えないこと)」
「利他の精神があること」
「向上心を持ち続けること」

「周囲から自分のことをよくわかってくれる人だ」と思われるようになってほしい。

そのために、以下を意識して欲しい。
「話をよく聞く」
「わかりやすく話す」
「困っていたら助ける」

私が塾長のプログラムでは、これらを実践するための「心のもちよう」と「スキル」を
鍛えています。最近ではこれに加えて「知の基盤」をいかに獲得してもらうかを意識しています。
「知の基盤」とは書籍のことです。先人の教えを知識として得ること。知るだけではダメですが、
知らないと想像すらできませんので。(「知の基盤」については別の機会にご紹介します。)

おまけ―1:ピエール瀧さんの事件はビックリです。が、もっとビックリしたのは出演作品、
楽曲のお蔵入りです。買う買わないの判断は消費者がするものなのではないでしょうか。
ペナルティだともしても、別のやり方があるはずです。

おまけ―2:「陸王」で足袋屋を攻撃していた役の人が「いだてん」では足袋屋を演ずる。
なんと粋なキャスティングだと思っていました。(ので残念。)

おまけー3:「かしこまりました」に「し」をつけると「しかし困りました」になる。
とある大物経営者から教わりました。(これは駄洒落の域を超えています。深い。)

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