Vol.740「情報過多時代の情報収集」(メールマガジン「人事の目」より)

情報過多は「無」と同じです。

「世の中には情報があふれています。情報過多は「無」と同じ。何もなければ自分の
感性には響きません。ところが、”その気になった”ものについては、自分自身の感性が
積極的にキャッチするようになるのです。」
(人事の目VOL.310から)

8年前のメルマガにこのことを書いていました。当時はいまほどSNSが盛んではありません
でした。今や、文字情報、写真情報、映像情報・・・、目の前に情報があふれています。
ただし、情報過多は「無」と同じ。そこに自分との関係性が感じられないと、風景の一部
にしかなりえません。風景の一部として認識してしまうと、大事なことも見落として
しまいます。自分周辺の情報量は増えているのに、自分に必要な情報が入ってこない。
おかしな状況になりました。

そこに、いわゆるキュレーションメディア(決まった条件に沿って情報をまとめた
コンテンツが公開されているサイト」)なるものが登場しました。関心がある情報を
まとめて見せてくれます。便利です。私も利用しています。ただし、これは自分の
興味・関心を「決まった条件」で限定することになります。そこが問題です。

現時点で関心がないことについての情報が届きません。過去の購読履歴などから推察して
リコメンドしてくれる機能もあるでしょうが、その世界観は「過去の自分の興味の派生」です。
自分の興味・関心を広げてくれるものではありません。リコメンドの限界です。

自分の世界観を広げながら、あふれる情報を利用するやり方があります。
自分から取りにいくのです。

あふれる情報の中から特定の情報を拾い上げ、自分のものにする。これには”その気“が
必要です。そのために有効なのがアウトプットづくりです。

なんでもいいのです。何かについて情報発信する、語る、まとめる。アウトプットをつくる
となると、自分の考えを確認したり、あれ、なんだったっけ?系のことを調べることになります。

このプロセスを通じて、新しい情報に触れることになります。これが良いのです。
しかも、インプットした情報を整理し、自分の言葉でアウトプットすることで、
「自分の情報」にすることができます。これが自分の興味、関心時の幅を広げることになります。
中にはアウトプットして消えてしまう情報もあるでしょう。一方で、新たな興味・関心事に
なる情報もあるはずです。

一番、“その気”になりやすいのは、誰かの言葉をきっかけにするアウトプットづくりです。
その人が語る内容から「へぇー」と思った内容を自分なりにまとめてみる。これは効きます。
次にその人に会ったときのネタにもなります。

私が次世代リーダー候補者対象の塾の中で「1分スピーチ」をさせたり、講義の後にメモを
書かせたりするのは、スキルを磨くことに加え、このアウトプットを通じて、興味・関心の幅を
広げてもらいたいという意図があるのです。

おまけー1:ありがたいことに、いろいろな機会でいろいろな方にお会いします。「へぇー」と
思うことが多々あり、自分の興味関心を広げてくれています。
最近一番の「へぇー」は世界文化遺産に登録された長崎県の軍艦島の話です。

実際に登録されたのは軍艦島そのものではなく、軍艦島の一部の「壁」と聞いて。
(実際には軍艦島を構成遺産に含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が
遺産登録されたとのことです。)

おまけー2:先日、恵比寿のバーガーキングでふと顔を上げたときに、目の前に高齢の男性の顔が。
“あ、ひらたい顔族・・・” (思わず声に出してしまいましたが、聞こえなかったらしい。)

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