Vol.801「最遅行者に合わせてはいけない」(メールマガジン「人事の目」より)

全国の公立学校の新任教頭、副校長、校長先生向けの講演、今年で18年目になりますが、
さすがに、これまでのところオンラインです。先日も某県向けにオンラインで2時間半。
オンラインとは言え、双方向でやりたいので、講演の中でWebアンケートを実施。。
その中で「オンラインによる授業を行っていますか?」と聞きましたところ、
84%強が「やっていない」と。(え、オンライン授業やれてないの?)
この実態に問題意識を持ち、いろいろ調べてみたところ、驚愕の記事が。

“現場がオンラインをやりたいと教育委員会に相談しても、1%でも参加できない
家庭がある場合はやるべきではないと反対された(5月27日 東洋経済オンライン 
小中学校「オンライン教育格差」が招く真の問題 中川寛子氏)”

“「教育委員会に相談すると、『一校だけ先行するのはよくない』と言われました。
文部科学省の方針を気にしてのことだと思います」(6月25日 Business insider 
忖度ばかりの学校現場、教師が激白「オンライン導入は永遠に潰され続ける」横山耕太郎氏)”

なんですか、これは!びっくりです。新たな試みをするときに、最も遅い集団に合わせて
いたら絶対に進みません。ICT教育が進まないわけです。新たな試みにチャレンジする
人たちがいて、そのチャレンジの結果、便利になったり、豊かになったりします。
それを見て、“自分もそうなりたい”と思う人たちが努力する。この流れが健全だと思います。

新たなことにチャレンジするのは勇気がいります。面倒くさいです。更には自分が
築き上げてきたことを捨てることにもなりかねません。“今のままでやれるのなら
それでいい”。そう思いがちですが、これでは進歩がありません。

この度、某県の未来を担う人材を戦略的に鍛えることになり、先日、初打ち合わせを
しました。ここでもびっくり。仕事をする環境、仕事の仕方が昭和のままという印象
でした。環境整備が追い付いていないことにご担当の方々は恐縮しておられましたが、
これは過去に行政をリードしてきた方々の怠慢だと思いました。
“今のままでやれるのならそれでいい”で、今日まで来ているのではないでしょうか。

どんなに崇高なビジョンを掲げていたとしても足元がこの状態では絶対に実現しないと
思いました。(上には現状が見えていないのかもしれません。)

新たなことにチャレンジし続けているからこそ、企業は生き残ります。これは公的機関
(役所、学校等)でも変わりません。公的機関だから遅れていてもいい、ということは
ないはずです。特に地方の役所はその地域でのモデルになるべき存在です。ネット環境が
ないとか、ノートPCがないとか・・・、あり得ません。手作業で苦労して仕事をしているのは
美徳でもなんでもありません。職員のみなさんが気の毒になりました。

何をやるにしても、様々な理由から遅れる集団は出ます。それは当然です。施政者はこの
最遅行集団に合わせるのではなく、この集団がキャッチアップできるように支援するのが
仕事だと思います。新しいことへの取り組みを好まない人たちへのインセンティブを
用意したり、場合によってはペナルティを課すのです。

“最遅行者に合わせる”、この発想を変えないことには日本の国力は落ちるばかり、
と危機感を覚えました。

国、地域を変えるのであればその基盤である行政の働く環境を整備しないことには
おぼつきません。そこに税金を投入するのは当たり前だと思います。


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