Vol.499 中高年のキャリアクラッシュ対策

あと2日で4月。「4月」という響きはいいですね。昔から「4月」という言葉を聞くと
胸が高鳴ります。何か新しいことが身近に起きていく感覚があります。学生時代は
「4月病」と言っていました。”やるぞ、やるぞ!”と手当り次第にチャレンジ
したくなり、気がつくと身動きがとれなくなり反省・・・。これが「4月病」です。

既にクラブで要職にあるにも関わらず、あちこちのサークルに顔を出し、あちこちの
授業に顔を出し・・・

さすがに最近は「重度の4月病」になることはありませんが、それでも「4月」の声を
聞くと身体がムズムズします。元来そういう性質なのでしょう。

さて、人は年齢を重ねるにつれて、自分の中に「経験」という資産が蓄積します。
無意識のうちにその資産を活用して生きていくものです。

ところが、あるとき、その資産が価値を生んでいないことに気づきます。他人が何と
言おうとも自分では価値を出していると思っていたその価値がほぼゼロであることを
自覚します。ショックです。これが中高年の「キャリアクラッシュの瞬間」です。

しかし、多くの人がそれを受け止めません。自覚を隠します。認めてしまうと
自分自身の存在意義が揺らぐからです。抵抗したり、気がつかないふりをしたり、
ヘラヘラしたり、なんとかして時間が経過するのを待つ毎日になります。

キャリアクラッシュの中高年をたくさん抱えていると組織のスピードが遅くなります。
有為な新人もそれに染まるか、退出することになります。ローパフォーマーだから
といって、一方的に処遇を落とし、”退職勧奨的なこと”を進めていきますと、
“Who’s next?” シンドロームが組織の中に蔓延し、不健全さが顕在化します。
なんとかしなければなりません。ここに手をつけないで成長戦略の実現はあり得ません。

当の中高年者たちにとっても精神衛生上、良い状況ではありません。この状態が
長く続くと、じきに身体を壊します。気の巡りが悪くなるからです。
なんとかしたいものです。

一方で歳を重ねても、経験資産の”利回り”が良い中高年がいます。ますます充実。
大きな仕事をどんどんこなします。自分自身で動くことは少なくなっても、
組織を動かして結果を出し続けています。

この違いを生んでいるものは何か・・・。それは「好奇心」の有り無しだと思っています。

活躍し続けている中高年者はいろいろなことに興味関心があります。結果として
新しいヒトと出会い、新しいことに手を染め、結果として自分の経験資産が多様化し、
鮮度が保たれているのです。

「好奇心」の強弱については(良く言われますように)パーソナリティの影響があると
思います。だとしても、なんとかなります。「好奇心」を決めるものは、自分自身の
感度のアンテナの立ち具合です。このアンテナ感度を高めることをすればいいと思うのです。
そうすれば寝ていた好奇心が首を持ち上げてくると思うのです。

アンテナ感度を高める一番の方法は「即応する(すぐ動く)」だと思っています。
何かをしようと思ったら、すぐに動く。これです。

誰かにメールしようと思ったらすぐにメールする。
何かを調べようと思ったらすぐに調べる。
見たい番組があると思ったらすぐに録画予約する。
行きたいお店があったらすぐに予約する・・・

すぐに動く、これを意識して実行するのです。

“後でやろう” → ”忘れた” → ”ま、いいか” このサイクルに要注意です。

これは”億劫病の典型的な症状”です。年齢と共に、新しいことをやるのが億劫に
なります。そこで動かなくても、そこそこやっていけるからです。
それまでの経験資産でなんとかなると思っているからです。これが好奇心のアンテナを
下げます。(古い経験資産はある日価値を生まなくなります)

すぐに動かないと生きていけない環境に置かれれば、嫌でも動くようになります。
体験型ケーススタディはある意味で、”仕事の即応筋”感覚を取り戻してもらう
効果があります。しかし、自分でもやれます。日々、意識して”すぐ動く”ように
していけばいいのです。

“すぐ動き” → ”すぐ止める” これでも最初はいいでしょう。そのうち、
意識せずに次に展開していることが出てくるはずです。

実はこれ、最近、自分にも言い聞かせています。”億劫病”対策です。

先週、某クライアントで1年半にわたるプロジェクトが完了。(このプロジェクトは
MBOに伴う人事制度の総取り替え。ゼロベースで検討できましたので、かなり理想的な
設計ができたと自負しています。もちろん、運用が命なのは言うまでもありませんが、
これがうまく機能したら今後の日本の人事制度の一つのロールモデルになると思います。)

打ち上げの場で嬉しいことがありました。クライアント側の課長がご自身の長年の
夢の実現に向けた転身を告白。50歳からの転身。素晴らしい!熱い拍手でお祝いしました。

おまけ:体験型ケーススタディを”体験する”チャンスです。

4月25日(金)場所は神楽坂HCスタジオ。朝9時から18時まで。
体験費:1,000円(昼食代)(募集5名:応募者多数の場合には抽選とします)

ご希望の方はこのメルマガへの返信でお知らせください。

 

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