この1月、社会人になって10年目から15年目くらいの方を対象に新作のOT(体験型ケーススタディ)を毎週やっています。異業種から集まった受講生は30代前半の非管理職。将来を嘱望される選抜人材です。この企画を立ち上げた背景は「優秀な若手の可能性を拡張する機会」をつくりたいという想いです。
新卒1,2年目に頭角を現していた優秀な人材が停滞したり、道を踏み外してしまうことが少なくありません。よくあるのはこんなケースです。
・その優秀さから重宝され”便利屋“になってしまう(停滞)
・特定領域から動かせない人材になり、結果として仕事の幅が狭くなってしまう(停滞)
・その優秀さから、いつしか“全力で仕事に向かう”姿勢が希薄になり成長が止まってしまう(停滞)
・指示への対応が優れているから優秀であると評価され、“顧客ありき“の仕事観(「課題対応型」)になってしまう (停滞)
・承認欲求が強く、周囲への配慮や“優秀でない人への共感”に欠け、「仕事はできるが人の気持ちがわからない」として周囲の人が離れてしまう(道を踏み外す)
・優秀とは言え、まだ「上」の立場にないため、「上のジレンマ」を理解できず、容易に上司批判をしてしまう(道を踏み外す)
こうした症状に陥る前、OTを通じて、“全力で課題に立ち向かうのは楽しい”、“心が震えると自分を開く”、“しがらみのない仲間と動くことと快適さを知る”、これらの体験をしてもらいたいと思いました。こうした想いから、この企画を「登竜門」と名づけました。
ここまで6チーム(36人)やってきましたが、さすがに選抜人材たちなので、チーム内でのディスカッションのレベルが期待以上のところもあります。OTというと(経験者はご存じ)破綻して終わってしまうことが多いのですが、うち3チームは満場の拍手で終わりました。素晴らしいです。
ただ、全般的に「ロジック優先」で「対人感受性」に弱さがあること、「”自分を守る“仕事のスタイル」が身に着いている傾向があります。たった2日のプログラムですが、このことに気づき、修正を図れた人、大いなる気づきを得た人が続出しています。中には感極まって号泣してしまう人も。
とても良い機会になったと思います。終了後、こんなメールを参加者の一人からもらいました。
「会社が私に投資してくれた2日間だと思いますが、十分にその機会を生かせなかったと思っています。悔しいですが、何もできず他社の優秀な方々の動きを見つめていた時間が多かったです。会社のこの投資に対して、私はどう返していけばよいでしょうか。」
私からの返信は「その想いを忘れずに。これからの仕事で返してください。」
今回は電機メーカーからの参加者が多かったのですが、非常に好評なので、今後、業界別の「登竜門」を企画しようと考えています。対象は社会人経験10年から15年のアラサーで、将来を嘱望される人材です。
現在想定しているのは「建築・ゼネコン系」「エンターテインメント系」「電機メーカー系」「商社系」「小売り系」です。(予算がつくのであれば「公務員」もぜひやりたいところです。)本プログラムはオープンに募集するようなものではないので、ご興味がある(自社の社員を参加させたい)事業責任者、人事責任者の方はこのメルマガの返信でお知らせください。担当より、直接ご連絡を差し上げます。
今回の「登竜門」の最終回が来週の火曜・水曜です。どんな展開になるか。いまから楽しみです。
おまけー1:今回の「登竜門」は千葉県の船橋でやっています。ふなっしーに妹(ふなみ)、従妹(ふなきち)、親友(弟ではない ふなごろー)がいることがわかりました。船橋の人は誰でも知っているようです。
おまけー2:今年の風邪は「咳 → 声枯れ → 場末のスナックのママの声 → 中尾彬さんの声」になる方が多いように思います。
おまけー3:福山雅治さんのモノマネと中尾彬さんのモノマネは同じかもしれません。
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