834号「1対多と1対1」(メールマガジン「人事の目」より)


「1対多」と「1対1」。この両面からどのように自分が映っているか。リーダーは意識した方がいいですね。

「1対多」の映りがいいリーダーは尊敬、ときに崇拝されますが、個々とは距離があり、実務のディテール(細かいところ)で齟齬が生まれやすいです。また、多くの場合、孤独です。「1対1」の映りがいいリーダーは個々との関係性は強化できますが、組織の中に政治的な駆け引きが横行しがちです。

多くのリーダーをみてきましたが、「1対1」が得意な人が多かったと思います。あの人のために!という強い忠誠心をもったメンバーがたくさんいます。個々に“自分が一番、あの人のことをわかっている”と思わせるのが上手いです。ただし、メンバー間の協力関係は必ずしもよくありません。みな、自分が“一番の部下”だと思っているからです。オーナー系の会社でよく見られる傾向です。

このやり方は時に強烈な抵抗勢力を生む可能性があります。“自分が一番”と思っていた人がふとしたことから、そうではないと自覚したときに、愛憎心から極端にそっぽを向くようになります。そのときに、リーダーが“そんな態度ならいいや”と重用しなくなると、この人は一気に反リーダーの先鋒になります。そんなに不満があるのなら辞めればいいと思うのですが、愛憎の「愛」があるので辞めません。

「1対1」の関係性を中心に組織運営をしていると、このような不健全な状態になりやすいものです。「1対多」でも高く評価されるリーダーを目指しましょう。

「1対多」で最も意識すべきは「話し方」です。組織全体に対して、どのように話すか。逆側からすると、話しているときにどう映っているか。ここはとても重要です。

言っていることは正しい。弁舌もさわかや。ただし、聞き手に刺さらない。こういうリーダーがいませんか。

リーダーのスピーチは聞き手に高揚感、一体感、安心感を与えるものであるべきです。このリーダーの下であれば明るい未来が期待できる、そう思わせるような話し方をしてほしいですよね。

最も大事なことは「メッセージを伝える」のではなく、「なぜ、このメッセージを伝えたいのか、その想いを伝える」ことです。想いのないメッセージはただの音になります。聞き手に刺さりません。文脈ではなく特定の単語のみが残ったりします。これが誤解につながります。「1対多」のスピーチの際には、自分のスピーチを聞いた後にその組織にどのような感情が芽生えてほしいか、これを考えながら話すことが肝要です。

さらにテクニックとして、こんなことがあります。

・話し始める前に聞き手全員の顔を見回す
・にこやかな表情、優しいまなざしを意識する
・ところどころに「間」を置き、反応を確認する
・話すスピードに緩急をいれる
・特に伝えたいところでは、身振りや手ぶりをいれる
・ジョークをいれる
・原稿を読まない
・最後に伝えたいことを要約する 等々

映画の中に素晴らしいスピーチをするリーダーのモデルがたくさんあります。「インデペンデンス・デイ」(1996年)の中で宇宙人たちに総攻撃をかける前の米国大統領のスピーチは最高です。

ちなみに、どちらも怪しい人は「1対多」を合格水準にすることからですね。

おまけー1:“スタバで、俺にウインクしてくる美女がいてさ。何回もウインクするんだ。話しかけた方が良かったかな?” 某K氏から聞かれたので、こう答えました。“いや、それはただの花粉症だよ。”

おまけー2:学び直し「PHAZEリカレント」。説明会をオンラインでやります。

4月1日(木) 17:00-18:00
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