「研修に対して、受講生の参加意欲が低い」
「受講生が没頭できて、しっかり学びにつながる研修はないか」
このようにお困りの企業の人事・研修担当者の方も多いでしょう。企業が学びの場を提供しても、受講生が研修を自分事化し、主体的に参加できなければ学びは半減してしまいます。
この記事では、受講生が没頭して参加できる一味違う体験型の面白い研修を3つご紹介します。長年クライアント企業の人材育成をサポートしてきた知見から、「面白い研修」の効果や、プログラム選びのコツもご紹介します。ぜひ御社の課題に合う研修を見つけてください。
【この記事でご紹介する研修3選】
研修名 | 主な対象 | 特徴 |
---|---|---|
・幹部(候補) | 企業の経営者として”修羅場”をくぐる抜ける体験型ケーススタディ | |
・新入社員 | “気づき”を引き出す「シゴト体感ビジネスゲーム型」研修 | |
・新入社員 | 複数人で合意形成を目指すエンターテインメント型研修 |
体験型で面白い企業研修の事例3選
この記事では、「面白い研修」を以下の要素のある研修と定義します。
- 受講生が没頭して参加できる
- 体験型で”生きた学び”がある
- チームで参加できる
- 実務に直結する学びがある
- 受講生の満足度が高い
これらの観点から、特におすすめの面白い企業研修を3つご紹介します。
①“修羅場体験プログラム”Organization Theater®‐株式会社Indigo Blue
(出典:株式会社Indigo Blue「Organization Theater®」)
名称 | Organization Theater® |
運営会社 | 株式会社Indigo Blue |
概要 | 経営者としてビジネスの”修羅場”をくぐる抜ける体験型ケーススタディ |
主な対象者 | ・幹部(候補) ・次世代リーダー(候補) |
実施方法 | オンラインまたは対面 |
実施期間 | 1日~3日 |
実施人数 | 5~7名/チーム |
Organization Theater®は、企業の現役幹部や候補者、次世代リーダーの評価・選抜を支援する実践型ケーススタディです。
受講生は架空の企業の役員としてケースに参加。次々と発生する不測の事態に対し、企業の生き残りをかけた戦略の立案と実行を迫られていきます。
【研修のポイント】
- 実際の時間軸でケースが進行し利害関係者と直接対峙するため、リアリティがある
- 経営者(リーダー)として会社運営を担う疑似体験ができる
- 実際の企業ではなかなか経験できない”修羅場”をチームで解決していく体験ができる
- 受講生の様子を経営経験者などのアセッサーが個別評価する
- プロのファシリテーターが研修の導入と振り返りを実施する
「自分が経営者だったら」という視点で意思決定し、決断の1つ1つによってケースが思わぬ方向に進行していくOrganization Theater®。受講生のリアルな有事対応力や経営総合力を問う”修羅場研修”として活用されています。
受講生からは、「これまで受けてきたどんな研修とも全く違うプログラム」「一生忘れられない経験になった」などの感想が聞かれています。
②“仕事体験ビジネスゲーム”しごとっち‐株式会社ノビテク
(出典:株式会社ノビテク「しごとっち(仕事体験ビジネスゲーム研修)」)
名称 | しごとっち |
運営会社 | 株式会社ノビテク |
概要 | ビジネスシミュレーションを通じ気づき、行動変容させるワークショップ型研修プログラム |
主な対象者 | ・新入社員 ・若手社員 ・内定者 |
実施方法 | オンラインまたは対面 |
実施期間 | 1日 |
実施人数 | 最大32名/クラス |
「しごとっち」は、人材育成会社である株式会社ノビテクが、バンダイナムコエンターテインメントと共同開発で制作した「仕事体験ビジネスゲーム研修」です。
受講生は、チームでビジネスシミュレーションに繰り返し参加する中で、仕事の大きな流れや重要なポイントを体感していきます。
【研修のポイント】
- 仕事体験を繰り返す中で生産性や他者との関わり方に関する気づきを得る
- 知識だけでは対応できない仕事のリアルを体験し、自身の問題点に気づく
- チームで成果を上げる上で大切な姿勢やスキルを学べる
具体的なビジネススキルを習得できるような仕掛け、受講生が夢中になって没頭できる仕掛けが多数散りばめられています。
受講生からは「ゲームの中に社会人として必要なエッセンスが含まれていた」「気づきがすべてのステップにあるのも良い」などの声が聞かれています。
③合意形成研修コンセンサスゲーム‐株式会社IKUSA
(出典:株式会社IKUSA「合意形成研修コンセンサスゲーム」)
プログラム名 | コンセンサスゲーム |
運営会社 | 株式会社IKUSA |
プログラム概要 | 物語を通して複数人で合意形成を目指すエンターテインメント型研修 |
主な対象者 | ・新入社員 ・中堅社員 |
実施方法 | オンラインまたは対面 |
実施期間 | 1.5~2時間 |
実施人数 | 5~8名/チーム(オンラインの場合) |
コンセンサスゲームは、予期せぬ事態に対してチームでコミュニケーションを図り、合意形成を目指すエンターテインメントに特化した研修です。
非日常空間でワイワイとチームビルディングを楽しむ「ジャングルサバイバル」、災害都市から帰宅を目指す「帰宅困難サバイバル」、ゾンビに襲われた街からの生き残りをかけた「ゾンビパニック」の3つのケースを選択できます。
【研修のポイント】
- プロのMCの進行や手厚いフォローがあり、没入感をもって楽しく学習できる
- 巡回スタッフがチームの発言などを記録し、様子をフィードバックしてくれる
- 短時間で実践的なコミュニケーション力や情報整理力を向上できる
受講生の学びと楽しさを両立させた、盛り上がれる研修として人気です。
導入企業からは、「初対面のメンバー同士でもオンラインで盛り上がれた」「学びの要素もあり、今後の業務につなげてほしい」との感想が聞かれています。
「面白い研修」がもたらす効果
受講生が没入して取り組めるこれらの体験型研修。なぜこのような、一風変わった研修が注目されているのでしょうか?
これらの体験型学習がもたらす効果を、具体的に3つご紹介します。
①感情の揺るぎが学びにつながる
体験型学習は、ケース(ストーリー)を受講生が「疑似体験」できる仕組みになっています。受講生がケースを自分事化して取り組むことで「感情の揺らぎ」が生まれ、学習内容が定着しやすくなります。
机上で実施するケーススタディよりもリアルな体験として記憶に残り、意識変容をもたらす可能性が高まるでしょう。
②チームビルディングにつながる
体験型研修では、同僚や初めて会った人などがチームとなり、協力してケースを進めていきます。1つの目的に向けてチームで試行錯誤をする中で、仲間意識や一体感が生まれていきます。
お互いの意外な一面にも気づけたり、短期間で心の距離が縮まったりと、チームビルディングにもつながる効果が期待できるでしょう。
③受講生が没頭して学べる
体験型研修では、ゲーミフィケーションの効果を活用することで圧倒的な没入感を実現しています。一方的に話を聞くだけの座学などと比べ、受講生がより集中して研修に参加できます。結果として、より多くの学びを得られるでしょう。
そのため、受講生の満足度も高くなる傾向にあるといえます。
面白い研修を選ぶうえで重要な要素
最後に、面白い研修を選ぶうえで抑えるべき重要な要素を3つご紹介します。
社員の懇親だけを目的にするなら、単に盛り上がる研修、一風変わった研修を選べば事足ります。しかし、受講生に何らかの学びを得てもらうことを期待するなら、以下3つの要素のある研修を選んでください。
①体験型であること
人材育成の「70:20:10の法則」にあるように、人の成長に影響する要素は、7割が体験、2割が一緒に働く人、1割が研修と言われています。研修の効果を最大限に高めるためには、「体験」の要素が強い研修を選びましょう。
クイズやスポーツ系などのエンタメ要素が強い研修は、チームビルディングに向いているものの、学びを抽象化して業務に生かすのが難しい傾向にあります。普段の業務や期待する役割に繋がりやすい体験研修を選んでください。
②インストラクションをしっかり行うこと
研修の効果を上げるためには、動機づけがとても重要です。事前に研修の意図や目的を受講生に明示しましょう。
研修プログラムの中でも、しっかりとプロによるインストラクションが用意されているものを選んでください。
③学びを振り返ること
せっかく研修を受講した参加者が「面白かった」で終わってしまわないように、振り返りを丁寧に行える研修を選びましょう。
研修で得た学びを「スループット(抽象化・概念化すること)」することで、より汎用性の高い知識・スキルとしてその後の業務に生かせるようになります。体験内容をチームでディスカッションしたり、ファシリテーターから学びを促したりと、落ち着いて学びを振り返ることのできる研修を選んでください。
面白い企業研修を次世代リーダーの育成に活用しよう
一風変わった面白い研修は、没入感によって受講生に深い気づきを与え、リアルな学びにつながります。エンターテイメントに慣れた若手世代も受け入れやすいといえるでしょう。
受講生が楽しみつつ、深い学びを得る研修をぜひ活用してください。
本記事でご紹介したOrganization Theater®については、コチラより詳細をご確認ください。
記事監修
瀧谷 知之(Indigo Blue 取締役)
トーマツ コンサルティング(現デロイト トーマツ コンサルティング)に入社し、通信ハイテク業界の戦略立案/変革支援に従事。 その後ジュピターTVを経て、ツタヤオンライン、TSUTAYA、カルチュア・コンビニエンス・クラブで経営企画/経営戦略室長として、ネット事業領域を中心に戦略立案や事業改善、新規事業企画、赤字事業の再建/撤退、M&A等を手掛ける。 2010年に株式会社コラビーを設立し代表取締役CEOに就任のほか、パス株式会社の代表取締役COOおよび各グループ会社の代取/取締役を経て現在に至る。今までに上場企業含め9社の代取/取締役を経験している。