最近のタクシー広告でいちばん目につくのが「郷ひろみの“たんたんたん”」。その次に目につくのが、「人材の科学的管理」ですね。CMも各社なりに凝っていてなかなか面白いです。
データを人財の適正配置に活かそう、というこの動き、私は支持しています。昔からこの領域については関心がありました。
組織が大きくなると社長やその周辺で掌握している人材が限られます。プロジェクトの組成や重要な配置を検討するときに、気を付けないといつも同じ顔触れになってしまいます。データがあれば“知らない人財”であっても検討の俎上に載せることができます。
問題は何のデータを使うかです。年齢、学歴などの属性情報、異動歴、人事評価結果、特技・・・。使えないことはないですが、こういうデータからでは“どんなことができそうか?”がわかりにくいです。
たとえば自社では経験がない領域の事業・サービスを立ち上げる際に誰たちにやらせるのがいいのか。こういう問いには答えられません。結局、選ぶ側が“知っている人財”の中から選出することになってしまいます。これをなんとかしたい、使えるデータはないか、とずっと探してきました。
見つけた(と思っています)。MP診断です。MP(マネジメント・プロファイラー)診断とは調査会社のIIOS社が開発したツールです。8年ほど前にこのツールに出会い、様々な局面で使ってきました。2015年には拙著「優秀なプレイヤーはなぜ優秀なマネージャーになれないのか?」(クロスメディア・パブリッシング)の中でも紹介しました。
IIOS社によると個人の思考、行動特性等を問うオンラインの設問から、以下のスタイル分けができます。
仕事人 [ A ](Accomplisher)スタイル
・結果重視で行動的。
・ハードワークで仕事にドライブをかけ、短期的に問題解決を図る。
・実用的・現実的で、臨機の才を持ち、タスクに当たる。
管理者 [ R ](Regulator)スタイル
・システム志向で計画的に行動する。
・生産性の向上・効率の改善には、安定が必要と考え、プロセスを重視する。
・細部に渡ってデータを解析し、費用対効果などの手法を駆使する。
起業家 [ C ](Creator)スタイル
・将来思考で先見の明があり、かつリスクテイカーでもある。
・「長期的な目で見て市場のニーズはこうあるべき」など戦略的な考え方をベースに方向性を定める。
・創造性に富み、常に新しい機会を狙うが、導入や実行力にやや難点がある。
調整役 [U ](Uniter)スタイル
・人や組織に対して強い関心を持ち、「誰」がそのタスクにあたるべきかを常に考える。
・いろいろなスタイルの人で構成されるチームやプロジェクトの推進役に最適。
・謙虚で敏感でチームがまとまる為には多少の妥協はいとわない。
(このそれぞれの組み合わせからなる16通りのスタイルに分類されます。)
“これまで自社では経験がない領域の事業・サービスを立ち上げる”ときには、C型、A型のスタイルが向いています。また、成熟した事業の残存利益を最大化するような役割であるとR型、U型のスタイルが向いています。こうした視点から“知らない人財”を検討のリストに載せることができます。
さらに私が注目しているのは組み合わせです。どのような組み合わせにすると最適なパフォーマンスを上げる可能性が高まるか。“解がわからない課題に取り組むような場合には多様なメンバーにしておいた方が良い結果が出ます。これはこの数年、ずっと“実証実験”をしてきた結果です。最近では私がオーガナイザーを務めたアイデアソンでもMP診断を活用してチーム分けをしたのですが、多様なチームが最優秀となりました。「使える」と確信しつつあります。
本格的な実証実験を自社でやってみたい方はこのメールの返信でお知らせください。やってみましょう。
おまけー1:アラフィフ以上の学び直し「PHAZEリカレント5期」の最後の説明会です。
30日(水)の朝7時からです。気になる方はぜひご参加ください!(60代も歓迎です。)
https://phaze.jp/recurrent/isession/
おまけー2:牛乳を飲んでいる人を見ると笑わせたくなるのは昭和世代の悪い癖。
おまけー3:クレーンゲームの“でかい”ぬいぐるみは取ったときが気持ちのピーク。その後、いい年して持って歩くことになり、かなり気持ちは下がります。
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