若手社員が離職する、意外な理由と背景
“こんなゆるい環境で仕事をしていると自分の将来が不安だ。”
優秀な若手の離職理由になっているそうです。
ブラック企業対策により働き方改革関連法が、ブラック上司対策によりパワハラ防止法が施行されました。あまりに酷い事例があったことから法制化されたわけですが、その副作用があります。(あとで何か言われたくないために)若者に厳しい仕事をさせない“空気”が生まれてしまっているように思います。一方で有為な若者が“しっかり仕事をさせてもらない”として会社を離れる。なんだか、おかしなことになっています。
新卒の配属によりヘッドカウントは充足。ただし、気兼ねなく働いてもらうことができないメンバー(新卒)が含まれている。こうなると課長が大変です。しわ寄せは確実に課長にいっているでしょう。更に、リモートワークが標準化されたことにより、以心伝心、見ていればわかる的な従来のコミュニケーションスタイルが効かなくなりました。今まで以上に個々のメンバーとの接点や集合機会を意識的に創出しないとチームスピリットを維持することが難しくなりました。課長は倒れる寸前、若手は育たない、そんな状況ではないですか。
私が提唱したいのは以下の3つです。
- 課長像を変えることをトップ以下の幹部が認識し、“シン・課長像”を浸透させる
- 若いうちに厳しい仕事を体験してもらうことを前提に何がNGかを管理職全員で議論する
- 若手向けに仕事力を高める実践的な研修を行う
新たな課長像で重要なことはプレイヤーの割合を下げることです。課長に期待されていることは、“プレイヤーとしても成果を上げなさい”ではなく、“チームメンバーが安心して全力で仕事ができる環境をつくること”だと伝え、評価、課長登用の視点を変えます。プレイヤーとして優れており、その人を中心にチームを組成することが成果に直結するという人には成果創出の観点から、その人にはチームリーダーとして活躍してもらいます。ただ、こうした人とは別に人事権、予算権を持ちながら、ピープルマネジメント、育成、組織開発にあたる“シン・課長”を配置します。
問題化することを怖れて、若手に厳しい体験をさせていない状況を変えます。厳しい体験をさせることを大前提に、その上で法律違反になりそうなことは何か、このボーダーラインについて、管理職が自分たちで議論する場をつくります。講習会だと忘れます。当事者がまじめに議論する場づくりをしましょう。
若手社員の仕事力を上げる、実践的な育成研修を
仕事力を高めるベースになるのがポータブルスキルと心のもちょうです。新人をイメージすると必要なのは、「情報の収集力」「情報の整理統合力」「段取り力」「文章力」「説明力」そして、自分の心の鎧を解く「セルフ・アイスブレーキング力」です。これらについて学び、さらに総合的に駆使する機会(研修)を用意します。
中堅、中小、ベンチャー、外資など新人の数が少なく、自社ではこうした研修の場を用意できないという会社の経営者のみなさんへ。Indigo Blueで用意しました。(大企業の方ももちろん歓迎します。)
まずは8月8日と9日に利害調整、課題解決を総合的にトライする「タウンホール・シアター」を開催します。ケーススタディにロールプレイしながら挑む、疑似体験型プログラムです。
(詳細はこちら)
https://static.indigoblue.co.jp/tt-ap/tt.html
その他のプログラムもあります。
https://static.indigoblue.co.jp/tt-ap/tt-ap.html
シン・課長体制にして、若手を育てる。やってみませんか。
おまけ
おまけー1:来週予定している某中高一貫校での特別授業の打ち合わせのこと。
私:生徒さんに質問するので、(答えを)打ってくれる?
Sさん:打つ・・?
私:うん
Sさん:何で?(このときSさんの指が引き金をひいていました)
おまけー2:某財団での超早い打ち合わせ。
某氏:あの・・しばたさん、ちょっとご相談が・・・
私:なに、それは大変だ!(聞く前に、わざとこういう発言)
某氏:はい、なのでカンパお願いします。
私:あ、はい。 (あっという間に終わり)
執筆
Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。
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