911号「怒っているのではない。改善を求めているだけだ。」(メールマガジン「人事の目」より)

言い方ひとつでその後の展開が変わります。こんなときどうしますか?

Uberでお気に入りのカレーを注文。20分程度で配達された。ところが野菜サラダがない。レシートにはしっかり「野菜サラダ」と書いてある・・・。(Uberのお兄さんはすでにどこかへ。)うむむ・・・。実は配達漏れ2回目。前回はカトラリー系がまるっとありませんでした。お店に電話だ! となりますよね。

「すみません、野菜サラダがなかったんですが!これ2度目ですよ、前回はカトラリーだったからなんとかなりましたが、今回は注文そのものがない。どうなってるんですか。Uberに渡す前に確認してないんですか!」

よくありがちな内容です。

何のための電話か。文句を言いたいのか、野菜サラダを持ってきてほしいのか。まあ、その両方ということでしょう。ただ、このような言い方をしてしまうと文句が前面に出てしまいます。当然ながら相手は恐縮します。文句を言っている方も言いながら更にヒートアップしてしまいがちです。

この展開、言った方にも言われた方にも嫌な気持ちが残ります。なんといっても“私は怒っている”というメッセージが強烈に届きます。先方はこれ以上怒られないようにしようという想いが一番前に来てしまいます。

「すみません、いまUberさんが商品持ってきてくれたんですけど、野菜サラダがなかったんです。おつまみセットとかいろいろ頼んだのでうっかりされたんじゃないかと(笑)・・・野菜サラダ、お願いできます?」

こういう言い方で、特に途中で笑いをいれながら伝えるとかなり違います。自然に「申し訳ない」という気持ちが相手に湧きます。その気持ちが、自発的なオペレーションの改善やトラブルを起こしてしまった顧客への想いにつながります。(リアルのケースでは野菜サラダ一つのオーダーでしたが、2つ持ってきてくれました!)

思った通りに事が進まなかったことに腹を立てて、その怒りを相手にぶつけてしまうと良いことがありません。怒られないことが目的となり、オペレーションの改善にはつながりません。配達漏れはその後も起こるでしょう。

これは部下に対する接し方でも同じです。問題行動に対して、怒鳴っても、その怒り方が激しければ激しいほど、怒られないようにしようという想いしか相手に湧きません。行動改善にはつながりません。おそらく再度同じ問題行動があるでしょう。で、さらに怒る、全く改善されない。悪循環となります。

ただし、本当に成長してもらいたいと思っている部下に対しては違います。怒りをぶつけてもいいでしょう。全身全霊で怒ってもいい。ただ、それ以上に愛情も注ぎましょう。愛情なき怒りは相手を委縮させるか、逃避させるか、恨みを買うか、いずれかになります。(お店や取引先に対しても愛情を注げるのなら、怒りをぶつけても良いと思います。)


おまけ:10月9日(土)に「いのちの現場から社会を良くしようという志を持った人達によるプレゼンテーション」の場であるMED Japan2022が日本科学未来館 みらい館ホールで開催されます。

このイベントについて主催者の方からお話しを聞き、応援したいと思いました。
当日は私も会場でプレゼンテーションをお聞きする予定です。

(詳細・お申込みはこちらから)
https://medjapan.org/

 

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