921号「成仏感」(メールマガジン「人事の目」より)

やる気レベルが従来の「普通の人の3000倍」ではなく「5倍くらい」に留まっている。まだコロナの後遺症から完全回復していない、と先々週のメルマガに書きましたが、「5倍」で完全回復でした。

これまで心のどこかに棘(とげ)みたいなものがあり、それに急かされるような感覚がありました。“もっとやれ、もっと、もっと。”みたいな感じです。この棘が消滅しました。それが、やる気が3000倍から5倍に減ったと感じている原因です。ただ、これは悪いことではなさそうです。心が真っ新な感じになりました。積年の疲れみたいなものもこの棘と一緒になくなった感じです。新たな「成仏感」があります。

「成仏」とはお亡くなりになることではなく、煩悩が消えて悟りを開いた状態のこと。実はこれまでに何度かこの「成仏感」を覚えたことがあります。最初の「社長」だったマーサーの社長を降りたとき、パスのCEOを降りて雇われ経営者という仕事を止めたとき、2年前に個人的に大きな出来事があったとき、そして今回のコロナです。心が静かになり良い感じです。

一方で年齢を重ねても、“成仏感”が全くない方が結構います。まだまだ、俺が俺が、というアピールが前面に出てきます。お元気で何よりなのですが、その「俺がアピール」、未成仏、ときに老害です。

そういえば未成仏の方々に元大企業の役員経験者が少なくないことに気づきました。そうした方々は基本ネガティブです。政府、企業経営に対して否定的なコメントをされることが多いです。こうすればいいのに動けていない、わかっていない等、叱咤、批判です。

未成仏の方々を思い浮かべたときに共通することがありました。

・高学歴で優秀
・取締役や執行役員への登用は同期の中で一番早い
・社長にはなっていない
・自分が主体でないことについては否定から入る

おそらく、現役時代に社長になれなかった想いが残っており、その情念が“成仏”を妨げているのでしょう。こういう方を(労働市場にたくさんいらっしゃいますが)自社の幹部、社外取締役、顧問でお招きすると、かなり“ややこしい”ことになります。

”俺が、俺が“とアピールするものの、ITリテラシーが低かったり、最近のトレンドについて疎かったりするので結局は周囲をかき回して終わりとなります。招へいした側も混乱、呼ばれた未成仏の方もその情念が昇華することはありません。

こうした方々に“成仏”してもらえるような場をつくろうかなとも思っています。その枯れない意欲、経験を「正」の方向性に生かせると世のため、人のためになるので。それにその方が明らかに生きやすいので。(その場に呼ぶのがハードル高いですが・・・)


おまけー1:長年応援している音楽座ミュージカルが12月17日(土)の東京都羽村市で特別公演をします。(文化庁補助対象事業としての公演なのでお得な価格になっています!)
お近くの方はぜひ!(14時開演です。) “心が揺さぶられる作品”です。
https://www.city.hamura.tokyo.jp/0000016806.html

おまけー2:「頭部に毛髪増量パウダーを振りかけてませんよね?」
MRI検査で3度にわたり聞かれました。なぜだ!

おまけー3:「すずめの戸締り」観てきました。なかなか良いです。田坂広志さんの新著「死は存在しない」を読んでから観るとたいへん腑に落ちる作品です。

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