931号「”気づき”に気づかないのはヤバいです」(メールマガジン「人事の目」)

前号からの続きで「学び」がテーマです。変化が激しい今、学び続ける。これがとても重要だと思います。役職、年齢は関係ありません。世の中の動静、新しい技術、思想、マネジメント論等々・・・、自分をキャッチアップさせていきたいものです。そう思ってネットを見ると、膨大な情報量。いったい、どれから学んだらいいのか。そう考えると気が遠くなりますね。

「学ぶ」というと学校をイメージする方が多いと思います。カリキュラムがあり、テキストがあり授業があり、一定期間決まった量の学びに身を投じる。それが最も効果的かつ効率的な学びの手段だと思いますが、学校に行くことだけが学び続けるということではありません。

「学び」は日常の中にあります。一日の中にいろいろなことがあります。そこに多くの気づきがあるはずです。なんらかの気づきを得たら、それを深堀する、抽象化(これってこういうことだよな、と考える)する。併せて、その気づきを整理して書いたり、誰かに話したりしてみる。それが「学び」になります。問題は“気づき”に気づかないことです。

初めて顔を合わせる人たちが多い場でファシリテーションするときに、「最近一番びっくりしたことはなんですか?」とアイスブレークを兼ねて質問することがあります。「最近びっくりしたことがないなー」という反応の方が多いです。では「最近感動したことは?」と聞きますと、「それもないなー」という反応。やばいです。気づきのアンテナが圏外。心の外側に苔がつき始めています。

変化が少ない環境に安住していると、同じことの繰り返しの中に身が沈み、心の外側に苔が増殖していきます。何かでずーっと忙しいと、その字のとおり、心が亡びます。心の外側が苔だらけになってしまいます。苔の重さに心が震えなくなり、感動を忘れます。“気づき”に気づかなくなります。

心の苔をとるためのエクササイズをしましょう。なんでもいいので印象に残ったことを思い出して書いてみましょう。これを習慣化するためのWEBツール「KIZMANA」というものをIndigoBlueで作ってみました。長期間の研修の際に気づきを書いてもらっています。また、私がプロデュースするプログラムでは、誰かの話を聞いたら、すぐにTake awayと気づきを書いてもらっています。PHAZEリカレントでは週4回もやってもらっていますが、これも心を震わすエクササイズなのです。

ヒトの熱意に触れるのも苔をとる機会になります。何かに挑戦してきた人、現在進行形で挑戦している人の話を聞かせてもらうプログラムをPHAZEリカレントでは「講話シャワー」としてやっていますが、他人の熱が自分の心を震わせ、苔をとる機会になります。

アスリートが全力でプレーする姿、アーティストのコンサート。旅行。心を震わす機会になります。思い立ったら足を運んでみましょう。もっと手軽にやれることもあります。いつもと違う道を歩いてみる。入ったことがないお店に入ってみる。久しぶりに旧友に会う・・・。肩の力を抜き、目的意識を持たずにその場に身を任せてみましょう。自分が開く感覚があるはずです。そのとき、感じたことが気づきです。

私のお薦めは「朝焼け」です。息をのむ美しさです。その後の日の出。心が静かに震える感覚があります。ちょっと早起きして空を見上げてみてください。心が震えてモチベーションが高まりますよ。それが学び続ける力を育みます。


おまけー1:新幹線でアイスを購入。食べようと思ったら、あったはずのスプーンがない。仕方がないので、箱を持ってガジガジ食べていたら、戻ってきた車内販売のお姉さんがスプーンをくれました。が、そのスプーン、なんとコートのポケットに入っていました!なぜ!(昨日一番驚いたことです。)

おまけー2:「選択」2月号の、一人っ子政策を続けた中国で男女比が崩れ、ベトナム、カンボジア、ラオスなどで、十代の少女が次々に誘拐され、中国側に拉致されているという報道に驚きました。(一昨日一番驚いたことです。)

おまけー3:ChatGPTに「柴田励司さんのようになるにはどうしたらいいでしょうか?」と聞いたら、いろいろアドバイスしてくれました。(3日前に一番驚いたことです。)

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