Vol.711「新卒採用の指針がなくなることについて」(メールマガジン「人事の目」より) 

新卒採用の「指針」がなくなりそうですね。私はこれに大賛成です。
そうすべきだと前から思っていました。

そもそも、新卒一括採用は日本的処遇システムの一部でした。“色がついていない”
若者を大量に採用して、自社のやり方を教え込み、時間をかけて忠誠心と愛社精神を
醸成。自社を社員の“ココロの居場所”とさせ、定年後も自社による退職金・年金で
面倒をみる。この壮大な仕組みの入口だったわけです。しかも年功的な処遇制度が
このバックボーンでした。エスカレーター的に出る人が発生する以上、入る人が
一定数必要ですから。

この仕組みは20年ほど前から崩れてきました。1980年代の中盤から早期退職募集が採られ、
90年代には年功的な処遇制度が崩れ、年金は2000年の前半から自分で掛け金を運用して
備えるDCプランに変わりました。仕事の仕方もインターネットや様々な技術開発により、
自社のやり方を踏襲し、自社で経験を積めば仕事ができるというわけでもなくなりました。
また、優秀な若者であればあるほど、大組織に所属して、一社員としての修行期間が
長くなるよりも、大きな責任と権限を求めて早期に転職する動きが出てきました。

こうした中で「新卒の一括採用」だけが残っていたわけです。

採用側からすると一括採用の方が採用実務、教育実務面で効率的であるとの意見もあります。
しかし、これは幻想です。大量に採用しようとするから、募集時の情報提供が自社の
最大公約情報(しかも良いこと中心)になり、“こんなはずじゃなかった・・・”と
早期に新卒社員が大量に辞めてしまうわけです。これでは何が効率的なのかわかりません。

意識が高い学生は在学中からインターンとして内部の仕事を経験し、そのまま就職
しています。このインターンは企業説明会の名を変えた“なんちゃってインターン”
ではなく、実際に組織の中に入って実務を経験するインターンのことです。

「指針」がなくなると指導が難しくなる、という大学側のキャリアセンターの
コメントもあるようですが、これは???です。大学でやってほしいのは社会人
としての心構えを整え、ポータブルスキルのレベルを鍛えることです。
これは学部学科で専攻していることや、大学の偏差値とは違います。

理想的には、「心のもちよう」と「ポータブルスキル」と専攻している専門性について、
大学側が「認証」できれはよいのです。単位とは違います。一定の質的水準にあることを
「認証」するのです。ただし、これは大きな変革です。なにしろ大学のありかたを
「入口管理」ではなく「出口管理」にすることになりますから。

今後この「認証」は必要です。その「認証」があることで、企業側も一定程度の
質的予測ができます。いわゆる社会人マナー的な教育や基本所作の指導は不要に
なります。あとは本人の志向、企業との相性をインターンを通じて確認すればよい
ということになります。(こうなると人事制度の枠組みも変えざるを得ません。
どうすればよいのか、については別途書きます。)

この「認証」ですが、社団法人のPHAZEでやろうと思います。PHAZEでポータブルスキルと
心のもちょうを鍛えるプログラムに参加してもらい、最終選考で認証できるかどうかの
判断をして、合格であれば「認証」を発行することにします。

ちなみにPHAZEですが、8月末に6名の奨励生が決定しました。この6名は9月15日から
12月15日まで「心のもちよう」と「ポータブルスキル」を鍛えるプログラムを受講します
。その後に、認証トライアルを受検してもらおうかと。

おまけー1:ハワイのとあるフードコートのラーメン屋でのこと。
カウンターに誰もいなかったので呼び鈴をチン!と鳴らしたところ、
出てきた人が開口一番「すみません。もう今日はオーダーがとれません。」

しょうがないので別の店でうどんを頼んで食べていると、ラーメンを注文している若者3名あり・・・。

なぜ、私にはラーメンがないのか?

(1.忙しい最中に“チン!”と鳴らしたから 2.過去にその店員とのトラブルがあったから 
3.金をもってなさそうだったから 4.味に注文をつけそうだったから)

おまけー2:とある事情により休日の深夜にハワイの緊急診療施設へ。喧嘩で血だらけの
現地人とか、大家族で来ている人とか、ディープな様子を体験。

おまけー3:9月4日(火)にNHKおはビズ「カイシャインの掟」でコメントしました。
“どう防ぐ?さみしい50代”

https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/2018_0904.html

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