845号「人を輝かせるイネイブラーという存在価値」(メールマガジン「人事の目」より)

組織活性化に必要な3つのキャラクター

優秀なプレイヤーの影には優秀な立役者あり。

どんな仕事でもそうですが、影の立役者がいるものです。影の立役者なしに優れたパフォーマンスはなし。そう言ってもいいと思います。

影の立役者はたいへんです。自分自身もプレイヤーとしての役割責任を担いながら、誰かのパフォーマンスを高めるための働きをしています。いわゆるアシスタント職の人のことではありません。アシスタントという役割であれば、サポートが主業務なのでわかりやすいです。影の立役者は「影」。その価値がなかなか表出しません。むしろプレイヤーとしての結果を問われています。結果として、その「影」の価値が正当に評価されないことが多いように思います。


ちなみに、組織が活発に動くためには次の3つのキャラクターが必要です。

・ドライバー:成果創出に向け直接的な行動をするキャラクター
・イネイブラー:ドライバーが動きやすくなるように環境を整え、かつドライバーをチアアップするキャラクター
・サポーター:全員の事務処理、資料整理、管理業務などを助けるキャラクター

ドライバーとサポーターだけでも仕事は回ります。ただ、余裕のなさ、感情問題、他との連携不足によるエラーなどが起こりがちです。「イネイブラー」の存在があると違います。「影の立役者」は、まさにこの「イネイブラー(enabler)」です。

イネイブラーがもたらす価値

組織の活性化

イネイブラーには以下の特徴があります。
・ヒトの感情の動きに敏感
・自己完結
・行動が早い
・利他
・先読みができる

当人は「評価を求めない」志向なので、自分の成果よりも誰かの成果を優先してしまいます。結果として、自分の成果がおぼつかず、上からの評価が低くなりがちです。

みなさんの周囲にもいませんか。その人がいることで組織がうまくまわっている。しかしながら、その人は一向に昇格昇進しない。その人の上の評判もいまひとつ。(むしろネガティブ)

「イネイブラー」自身は表舞台で活躍することをさほど望んでいません。昇進しなくてもいいのですが、自分のプレイヤーとしての評価が低いことを指摘され続けると痛みます。イネイブラーとしての機能も果たせなくなってしまいます。目に見える成果だけを評価していると「イネイブラー」が絶滅してしまいます。イネイブラーがいなくなると組織がギクシャクするようになり、組織的なエラーや労務問題が発生します。

役職定年した管理職の中には「優秀なイネイブラー」になれるヒトがいます。また専門職として処遇されている人の中にもその候補がいます。活躍、貢献の仕方を変えてもらうことで大いなる戦力になり得ます。その人自身にとっても「働きがい」のある仕事になるはずです。

優秀な「イネイブラー」には人を輝かせる力があります。「イネイブラー」を大事にしましょう。

おまけ

おまけー1:アラフィフ以上の学び直し「PHAZEリカレント」。1期生30名の中から3名の方に語っていただきました。(二期生7月14日に開講します。定年70歳時代に自分の意思で働いていきたい方におススメです。)

https://phaze.jp/news_20210606/

おまけー2:ネットで激安のシャツを購入したところ、想像以上に“激安クオリティ”のものが届きました。これ誰が着るんだろう。

おまけー3:早起き生活がルーティン化したので、今年こそ「カブトムシ」を捕りに行く予定。

執筆

Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。

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