Vol.724「人と書を通じて学ぶ」(メールマガジン「人事の目」より)

学びは「人との対話」と「書」で深まるものです。本や各種メディアなどの「書」を
通じて関心を持ち、それを人との対話で深める。または、人から気づきを得て、
それを「書」で深める。このプロセスが効果的です。

意識してこれを行うことで自分の引き出しが多くなります。「書」だけですと、
一人よがりの知識になりそうです。
また、人との対話だけですと不完全な知識になりそうです。

最も大事なことは学んだものをすぐに実践すること。これがあって初めて、その学びが
自分のものになります。

一番簡単な実践方法は自分が学んだ内容を誰かに教えることです。教えるという行為を
するには、それなりの理解がないとできません。わかったようなつもりだけだと
教えることができません。グループ学習が有効なのは共に教え合う機会があるからです。

先日某所で執行役員に求められる「心のもちよう」の議論をしました。私なりの持論を
ご説明し、先方のお考えを聞きするということをやった後に「論語と算盤」(渋沢栄一著)
が読みたくなりました。

「論語と算盤」は、日本の近代経済社会の基礎を築き、実業界のみならず社会公共事業、
民間外交の面においても指導的役割を果たした渋沢栄一さんの著です。現代語訳された
ものが出されています。私のKindleのライブラリーにあったので、改めて読んでみました。

今から150年近く前に書かれた「書」ですが、現代においても十分適用できる内容です。
特に「合理的な経営」というところのこの記述にはドキリとさせられます。

「現代の実業界の傾向を見てみると、ときに悪徳重役のような人物が出て、株主から
託されている資産をまるで自分のもののように心得て、好き勝手に運用して自分の利益に
しようとする者がいる。そのため会社内部は伏魔殿のようになってしまい、公私のケジメ
なく秘密の行動が盛んにおこなわれるようになっていく。」
(現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) 新書 より)

さらに、渋沢栄一さんはこの著の中で“重役にしてはいけないタイプの人”をいくつか
挙げています。ここも参考になります。まだ読まれたことがない方にはお薦めです。
若いときに一度読んだものを、改めて読み返してみると腑に落ちる点が増えていました。
含蓄のある「書」とはそういうものだと思います。

私はどうやら「人から気づきを得て、書で深める」タイプのようです。いろいろな人
とのちょっとした会話の中に気づきがあります。気が付くと関連しそうなことをネットで
検索し、それについて書かれた記事や書籍を探すということをよくやっています。
仕事柄、いろいろな人にお会いしてお話しをお伺いする機会が多いので役得だなあと
思うことが多々あります。

今日は神戸で脳科学者の黒川伊保子さんの「男性脳と女性脳」のお話しをお聞きました。
黒川先生のご著書はいくつか読んでおりましたし、お食事をご一緒させていただいたことも
ありましたが、やはり、まとまってお話しをお伺いすると違います。さすがの講演。
気になるフレーズがたくさん頭に残りました。

“女性は職場ではアウエー、男性は家庭ではアウエー”。先生のご著書をもう一度紐解いて
みようと思いました。
(しかし、女性脳を知識として知っても実践しないと実力はつかないのであった。)

おまけー1:ソフトバンクの通信障害、たいへんでしたね。こういうことがあると
“キャッシュレス”への転換が厳しいなあと思わざるを得ません。ただでさえ、
日本は震災で電気系統がダウンする可能性もありますし。

おまけー2:I社の神IT担当との会話。
「電話がつかえないので会社のWifiにつなげてLINE電話したい。パスワードを教えて。」
「了解です。パスワードは***です。つながらないときには電話してください。」

おまけー3: 中川家の中国人コントがおもしろいです。

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