Vol.752「お金を払って仕事をする価値観」(メールマガジン「人事の目」より)

「オンラインサロン」をご存知でしょうか。堀江貴文さん、キングコングの西野亮廣さんら
著名人が主宰者の月額会費制のWeb上のコミュニティのことです。中にはWeb上にとどまらず、
様々なリアルな活動を行っているサロンもあります。

“それって有名人を囲んだサークルとかファンクラブみたいなものでしょ。”っていう
認識の方が多いと思います。私もそうでした。違いますね。先日、オンラインサロンに
ついて詳しく聞く機会があり、認識を改めました。オンラインサロンの本質は
“働く価値観が大いに変わる”前兆です。

オンラインサロンでは“お金を払って仕事をする”という状況が生じます。仕事をして
お金をもらう、ではありません。その逆です。自分の専門性、能力を発揮して何らかの
アウトプットを創ったり、活動をしたりしますが、その行為のためにお金を払うのです。

企業や団体のために自分の時間を提供して働く。その対価として報酬が支払われる。
これが“労働基準法”の世界観です。仮にこれを「労働」と称します。そこに、
“時間”ではなく“アウトプットの質”が問われる仕事(これを「企画」と称します)が
増えてきました。これが“脱時間給(ホワイトカラーエグゼンプション)の世界観です。
オンラインサロンでは「労働」「企画」にお金を払って行うのです。

なぜ、そうするのか。答えはシンプルです。そこに「体験価値」があるからです。お金を
払ってでも、その“仕事”をしたいと思う価値があるからです。ただ、お金払っても、
その人の仕事のレベルややり方に問題がある場合には主宰者やサロンのメンバーから
相手にされません。自然な統制が働いています。

オンラインサロン的な働き方の追い風は「働き方改革という名の時間制限」です。
思い切り仕事をしたいのに会社では仕事をさせてもらえない、だからオンラインサロンでやる、
という人が増えてきています。副業解禁もちろん追い風です。さらにアホな上司がいると、
これに拍車がかかります。

自分で考えて自分で動きたい。必要な知識やスキル、経験は自ら取りに行く。こういう
指向性のある若者はベンチャー企業を興したり、就職先で“死に体”で仕事して、
オンラインサロン的な場所で本領発揮するようになります。“全力で指示を待っている”
タイプが伝統的な大企業に就職してきます。

仕事でやっている(やらされている)アウトプットと好きでやっているアウトプットでは
勝負が決まっています。これまで広告代理店やコンサルティング会社に委託していた案件を
受託しているオンラインサロンも出てきているようです。(そのオンラインサロンで
働いているのが広告代理店勤務者という笑えない事実も。)

この動きを特定集団のみの話と捉えるのは近視眼的過ぎます。ベースにあるのは
「体験価値を重んじる」意識の主流化です。マーケティングの世界ではすでに当たり前でしたね。

大企業ほど、組織と人事の考え方を抜本的に見直していかないと明らかにマズい状況になります。
“仕事だから我慢してやるもんだ”。違います。“楽しくなけりゃ、仕事じゃない”。
コペルニクス的発想の転換が必要です。


おまけー1:8月1日にNOBETCHさんが主催するイベント「はたらくを楽しむ」で講演します。
「70名まで無料」だそうです。ご興味ある方はぜひ、この内容で検索願います。

おまけー2:ネガティブな体験をすると一気にその企業へのロイヤリティが下がります。
新幹線の車内に出張用カバンを置き忘れたことに気づきました。すぐに降りた駅で捜索依頼を
したのでですが、「ここに電話してください」(で、その電話は延々につながらない)
「車両への問い合わせはできません」「西日本のことは西日本に直接聞いてください」と
顧客目線マイナス体験をしました。(ま、置き忘れた私が悪いのですが。)

おまけー3:「ごめんなさい。ちょっと遅れそうです。」と電話しているのを聞いていた
タクシー運転手さん。「お客さん、わたしの車には“遅れた”はないんで。シートベルトしてます?」
大井町から代官山まで15分で連れていってくれました。途中、信号無視数回。明らかな
スピード違反あり。(これ、捕まったら私のせいになるんでしょうか・・・)

 

 

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