Vol.504  ルーズヴェルト・ゲーム

日曜夜9時のTBSドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」。ご覧になりましたか?

経営危機に面した中堅精密機器メーカー「青島製作所」再建の物語です。

スポットCMの露出が多かったのでご存知の方も多いと思います。

個々のシーンでキャラを立て過ぎ(”あんな奴はいないよ”)。主要キャストの人物

描写が浅いので登場人物への感情移入がしにくい等、ドラマとしての出来は”いまいち”

ですが、「半沢直樹」の”10倍返しだ!”が好きな方であれば楽しめます。特にスポ根系が

好きな人は好きだと思います。廃部方針が下され、主力選手が相次いで退部した野球部

をどう再建していくか、ここは楽しめます。ちなみに私は毎週録画して見ようと思っています。

(スポ根系が好きなもんで)

http://www.tbs.co.jp/ROOSEVELT_GAME/

第二話に「青島製作所」の社内野球大会のエピソードがありました。経営危機なんだから

野球大会なんかやっている場合ではない、実業団チームを保有している余裕などないと

考える合理主義の社長(唐沢寿明)と昔ながらの家族経営を大事にする創業会長

山崎努)とのやりとりが興味深いです。「ケーススタディ」の題材になります。

企業は営利が目的の集団です。投入資源とリターンの最適化、ゴーイングコンサーン

(継続性)が常に求められます。営利に直結しないスポーツ大会などの活動は、

余裕があるときの”お遊び”。

再建のためのリストラを主張する社長の意見は正論です。

事実、この論調から過去に多くの企業で社員旅行、スポーツイベント、お祭りが経費削減

のためにカットされていきました。

こちらは「理」の主張。

一方で、人の気持ちを大事にしない経営には「イズム」がないと主張する創業会長。

これに真っ向から異を唱える人もいないでしょう。多くのフォロワーの賛同を得る主張です。

こちらは「情」の主張。

どちらが正しいということではありません。大事なことは、どちらも正しいと受け入れること。

その上で最適なバランスを追求することです。特にトップたるもの、この「理と情のバランス」

を意識した判断軸が必要です。

トップがバランスを欠いていると、下の人間たちがそれぞれ自分の裁量でバランスを

とるようになります。特にトップが「理」に傾倒し過ぎていると、あちらこちらでアングラ的に

「情を優先した特例」が出てきます。これは厄介です。当事者たちにとってみると実に

ありがたい話であっても、全社的に見ると”アンフェア”以外の何物でもありませんから。

風土が荒廃します。

自分が「理」に傾倒しがちな人間であれば周囲に「情」が強い人間を置く。「情」が強ければ

「理」の人間を置く。その上で周囲の意見に耳を傾け、決める。最適に絶対解はありません。

その時その様で最適は変わります。しかも判断する時点では、何が最適かは誰にも

わかりません。そうであっても判断するのがトップの仕事です。

ドラマの中では会長と社長という2トップが両極端の立場をとっています。

現時点ではバランスがとれていません。ここから合理主義の社長がどうバランスを形成

していくか、これが見どころの一つです。

工場のラインワーカーやコールセンターなど決められた仕事、決められた時間従事

することが求められる集団においては、「情」的側面を強めに意識した方がいいですね。

そこで働く仲間との連帯意識や家族的なつながりを意識するような機会を設けておきますと、

ヒューマン・エラーの防止や不測事態発生時の結束力の強化につながります。

目先の数字だけにこだわりますと、ついつい業務に直結しない行事をカットしがちですが、

それをやり過ぎますと足元がぐらつきます。

ぜひともご留意を。

おまけー1:休日中に出かけたお祭りでひいたおみくじは「凶」。しかし、「凶」が出るのは

珍しいのでむしろ”当たり”とポジティブにとらえています。

おまけー2:前回お願いしました音楽座ミュージカルの6月6日(金:13時半開演)の

名古屋公演への御支援、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

演目は遠藤周作さんの「わたしが・棄てた・女」を原作にしたミュージカル「泣かないで」

です。場所は金山の日本特殊陶業市民会館です。

http://ongakuza-musical.com/sakuhin/nakanaide.php

多少の割引もします。人数が多ければ更に割引をします。お力添えいただける方は、

引き続きこのメルマガへの返信で私にお知らせください。

おまけー3:通販番組でありがち。これ笑えます。

http://www.youtube.com/watch?v=oA1R0-tSBro

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