Vol.687 働き方改革はどうなった?

いい加減にしてほしい。そう思いませんか。国会審議のことです。

 

森友問題、財務省改ざん問題が看過できないのはわかります。しかしですよ、

働き方改革」はどうなったのでしょうか?厚生労働省のバックデータがいい加減で

あったという辺りから雲行きが怪しくなり、今や風前の灯火です。

 

新しいことをやろうとしたら心配事が出てくるのは当然です。

しかし、心配事が完全撤廃されないと新しいことを認めないという姿勢はいけません。

それだと何も変わりません。挑戦しようとしていることの目的とその目的達成のための

課題を同じ次元で議論すべきではありません。まずは目的そのものについての議論をする。

それに合意したなら、次に心配事を課題として捉え、どうすればクリアできるかを考える。

これが建設的な議論だと思うのです。どうしてそういう議論ができないのか。

残念でなりません。

 

そもそも「働き方改革」の目的は“日本という国を元気にするため”のものだと私は

思っています。日本の人口動態、AIの進展により、何もしないでいると“カネのない

高齢者”が社会に溢れます。定職につけない若者も増えます。人は、仕事や家事を通じて

、“誰かに(何かに)貢献したり、何らかの学びを通じて成長している実感があってこそ、

元気になり、生きがいを得るものだと思います。これらを失った人たちが増えると

間違いなく社会は停滞し、世の中のムードも暗くなります。日本をそうしてはいけない。

そうしないための「働き方改革」だと思うのです。

 

だから「一億総活躍社会」というようなフレーズが出てきているのだと思います。

ただ、そのための「枠組み」がないと、このフレーズもスローガンに終わります。

「枠組み」とは新しい事業のプラットフォームや業態のことです。例えば「Youtube」。

この「枠組み」により、多くの新しい雇用や消費が生まれました。

こういう「枠組み」を創出する人材が輩出される社会であってほしいわけです。

 

しかしながら、現在の労働法制下では「創造人材」が活躍しにくいです。働いた時間で

評価する人工(にんく)の発想がベースにあるからです。標準的な作業時間・作業量を

基準に考え、報酬を決める仕組みでは、創造活動を評価しにくいです。更には生産性が

高く、短い時間で仕事を完了できる人が報われません。むしろ、時間をかけた人の方が

評価されるというおかしなことになっています。これが過剰労働を生む温床にもなります。

 

もちろん、この人工発想があてはまる仕事もあります。それはそのままでよいのです。

しかし、創造的な仕事をする人には違うルールを適用すべきなのです。

 

また、育児や介護、遠距離結婚(職場から離れた場所に嫁ぐこと)などの個人的な

事情抱える人にしてみると、時間や場所の制約を受けない働き方を許容してもらえないと

どうにもなりません。

 

これらを解決するための新しいルールをつくろうという動きが「働き方改革」だと思うのです。

 

残業代ゼロで無制限に働かせるようなブラック企業が出てくるからダメという論調があります。

 

実際にはブラック企業よりもブラック上司問題だと思います。しかし、そのブラック上司も

やりたくてブラックをやっているわけではなく、その言動に問題があり、結果として

“ブラック上司”になってしまっていることが大半だと思います。

この“ブラック上司”対策を推進する方がブラック企業対策としては実効性があると思います。

 

ということで「あれ、もしかしてブラック上司じゃね?」という本にまとめてみました。

もうすぐ発売です。

 

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784827211146

(なんと、もう予約受付してくれている書店さんを発見。)

 

繰り返しになりますが、「働き方改革」の心配事は課題として、いかにクリアすべきかを

検討するというのが筋だと思います。目的を見失った議論をしていてはいけません。

 

それ以前にこのテーマを置き去りにしてはいけません。

 

 

おまけ:20日(火)のNHKおはよう日本の「おはBiz:カイシャインの掟」に登場します。

早朝6時10分頃で早いのですが、ぜひご覧ください。

 

テーマは「飲み会」です。(笑)

 

 

 

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