891号「日本人ではないメンバーをマネジメントすること」(メールマガジン「人事の目」より)

日本人リーダーが日本人を主体としないチームをいかにマネジメントするか?

海外の現地法人や買収した海外の企業に関して、昔から言われている課題です。コロナによりリモート環境になったことにより、これまでよりも表面化していると思います。

“うちの会社の流儀でやってもらうのがいい”。これは日本流の押しつけ。こんな植民地的発想でやっていると、優秀な人財はいなくなります。その昔、アジアの日本企業の現地社員たちにアンケートをとったところ、“日本企業は働く場所ではない”、“外資へ転職するための我慢の場”という回答が多かったことを思い出します。リモート環境下ではなかなか強制力が働かず、“うちの会社の流儀”も徹底させにくい状況になりました。

買収したものの、“どうぞご自由にやってください”。これは放置。ビジョンもなく、シナジーも生まれない。これは欧米系の会社に対する姿勢でよく見られました。こちらも人財の流出を招きます。

日本人は歴史的に日本人だけの社会で長らく過ごしてきたので日本人ではないひとたちとうまくやっていく経験知が十分ではないのかもしれません。事業はグローバル化しているのに、組織が一向にグローバルにならない。もったいないです。

コロナ前には本社に日本人ではないホワイトカラーや管理職の配置が進んできましたが、彼ら彼女らが十分に活用されていない、本人たちも力を発揮できていない、とする声が多かったのが実態です。この状況をなんとかできないかと、Indigo Blueでスポンサーして4年前に日本で働く日本人以外の方々のコミュニティであるThe Third way forumを立ち上げました。事務局長にはコカ・コーライーストジャパンの常務執行役員人事本部長ほかグローバル企業での人事経験が豊富な石坂聡さんにお願いしました。

日本流ではなく、欧米流でもない、統合した第三の道を検討しようということで、毎週木曜日の勉強会や数々のイベントを展開してきました。この2年ほどコロナの影響でイベントはやれませんでしたが、朗報です!5月16日(月)の17時から19時の枠でオンラインの無料公開イベントを開催することにしました。

テーマは「“How should Japanese leaders manage non-Japanese team?”」です。

パネリストにはワクワクするメンバーが揃いました。

買収した米国企業群を統括し、買収後も企業価値を高め続けている旭化成のヘルスケア領域を統括する取締役専務執行役員の坂本修一さん、

中古車買い取り販売のガリバーを運営するIDOMが豪州で立ち上げた社内ベンチャー企業でCPO(Chief product officer)を務める Julian Fogartyさん、

日本国内で非日本人のチームをリードする米国WCG Clinical Endpoint Solutions Director, Project Management and Site Management APACの花田 耕三さんです。

事務局長の石坂聡さんのモデレートにより、日本人により非日本人組織におけるリーダーシップについて議論します。昨日、打ち合わせをしたのですが、三者三様のお話をお伺いできそうで楽しみです。

日本人ではない方々を対象としたコミュニティの英語イベントですが、日本組織のグローバル化に問題意識がある方であれば国籍を問わず歓迎いたします。ぜひ、ご参加ください。

(お申込みはこちらから)
https://indigoblue.co.jp/twf-events-202205/

おまけー1:ウクライナ千羽鶴問題に関し、ノンフィクションライター窪田順生さんが秀逸な見解を示していました。(ダイヤモンドオンライン 4月28日)

「日本には相手が何を欲しがっているとか、どんなことに困っているとかよりも、自分たちの「思い」を尊重しがちな文化がある。「もらう側」ではなく、完全に「あげる側」の論理が強いのだ。そんな“千羽鶴カルチャー”こそが、日本の国際貢献がイマイチ相手に伝わらない理由のひとつではないか。」

おまけー2:紅葉(もみじ)と楓(かえで)の違いがやっとわかりました。私の手は楓です。

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