903号「”働く”を楽しむ(前編)」(メールマガジン「人事の目」より)

“時間を気にせず思い切り仕事をしたい。” 新たな商品、サービス、事業開発を成し遂げているのは、自分の意思で楽しみながら働いている人達です。ところが、上場企業ほどコンプライアンス遵守のため規制が厳しくなります。残業ダメ、所定労働時間の中でやってください、となります。やれやれです。仕事に制限がかかる環境では思う存分“働く”を楽しめません。健全な野心を持つ若者は嫌気がさし、比較的時間規制が緩いベンチャーへ転じていきます。時間管理がいわば仇となっています。

労働時間の管理、規制。これは19世紀の名残(なごり)だと思っています。プロレタリアート(生産手段をもたず,自分の労働力を売る以外に暮しの道がない賃金労働者階級)を保護する。この思想がその原点だと思います。労働基準法はこの思想の上に成り立っていると思います。

かつて内閣府の勉強会で“自分の仕事環境がブラックだと思ったら辞めればいい”と発言しました。これに対して、某国会議員から“それは強者の発想。中には辞めたくても辞められない人たちがいる。”と反論されました。そういう方々がいることはわかります。だからといって、“時間を気にせず思い切り仕事をしたい人達まで規制の対象とし、”働く“を楽しめない状況にするのは間違っていると思います。

ベンチャーは“時間を気にせずに思い切り仕事をしたい”人達の集団です。特に創業メンバーはそうです。その想いが新たな価値や雇用機会を生み出すわけです。現行の労働時間法制のままだと、日本の価値創造力が弱体化し、国際競争力が更に落ちると思います。

経済同友会が今年の4月に出した「スタートアップ企業の成長策として、一定の要件を満たした企業は時間外労働の上限規制の適用対象から外すべきだ」という提言を私は支持します。これを皮切りに対象企業をスタートアップに限定せず、時間を気にせず思い切り仕事をしたい人のために、幅広くホワイトカラーエグゼンプション制度が解禁されることを願っています。

他方、世の中には“辞めたくても辞められない人”を創出する仕組みがあります。多くのサラリーマンは用意された環境で、指示されたこと(だけ)を遂行する仕事の仕方を何十年もしてきます。結果として、サラリーマン歴が長くなればなるほど、ワクワクしながら自分のやりたい仕事をしている感はなくなり、“仕事=辛い”、“失業は困るが、できるだけ働きたくない”というマインドセットになりがちです。いきおい用意された環境でないと仕事ができないという心理的なバリアに囚われます。まさに辞めたくても辞められない人の出来上がりです。

これを何とかしたいと思っています。“働く”を楽しめた方が間違いなく人生が豊かになりますので、

2,3年前から良い風が吹いてきました。副業です。副業を解禁する企業が増えています。2021年パーソル総合研究所によると自社の正社員の副業を容認している企業の割合は55%となったそうです。また、6月24日の日経新聞に「副業制限なら理由公表 厚労省、解禁加速へ企業に要請」という記事がありました。副業機会を通じて、用意された環境以外で思い切り楽しく働く、そんな人が増えていくことを願います。ところが、その受け入れ先企業(主としてベンチャー)で副業者の評判が著しく悪いのです。ここをなんとかしないと、せっかくの風穴がふさがってしまいます。(以下、来週へ)


おまけー1:先週一週間、沖縄で恒例の休暇を過ごしました。休暇中に、東京をはじめ日本全国のコロナ感染者数が大爆発したという印象です。沖縄も医療崩壊が叫ばれていましたが、それは那覇など中心部のことで、私が滞在した恩名村の辺りはとても静かでした。

おまけー2:志村けんさんの“変なおじさん”は沖縄民謡ですね。(沖縄からクレームでなかったのかしらん)

おまけー3:休暇中でしたが、PHAZEリカレントの朝活はあり、Zoomミーティングもあり、さらには会食も。ということで沖縄からでも十分仕事ができるじゃん、と少し思いました。

 

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