924号「はたらくを楽しむために工夫する」(メールマガジン「人事の目」)

“はたらくを楽しむ”。仕事に関して私はこの推奨派です。ひと世代前は“仕事なんだから我慢する”が美徳でしたが、今は違います。今は、“はたらくを楽しむために工夫する”だと思います。

好きなことをやって報酬を得る。これが実現できたら最高ですが、なかなか難しいのが現実です。好きなことをやるのではなく、やっていることを好きになる。こっちですね。そのための必要条件が「充実感」だと思います。こんな感じです。

‐時間を忘れる(没頭する)
‐物事がうまく進んでいる
‐その仕事の対価(リターン)を考えていない

これらの逆。こんな状態だと「充実感」は得られません。

‐誰かの視線を気にしている(何か言われるのではないか)
‐物事がうまく進まない
‐仕事の対価(リターン)が気になっている

考えてみたら、組織の中にはこの「充実感」を阻害する要素が結構ありますよね。

予算や計画達成を前面に出しすぎると、そのための仕事となり、楽しんで仕事をする状態から程遠くなります。役職者であれば予算達成が使命の一つなのである程度は仕方ありません。ただ、一般のメンバーまでそうなると、“はたらくを楽しめない”職場になります。一挙手一投足に慎重になり、新しいことにチャレンジする意欲など全くなくなります。

予算や計画達成のために戦略を定めたら、あとは楽しんで仕事ができる環境を創る、それがリーダーたちの役割だと思います。みなが楽しんで、やるべきことやっているが成果が出ない場合には、戦略に課題があるのです。(戦略を中間管理職が遂行していないこともありますので要注意。)戦略に課題があるにもかかわらず、働いている人たちにムチを入れるようなやり方をしていると、誰も楽しくありません。悪化します。仮にインセンティブが効いて成果が出たとしても、それはインセンティブのために働いているのであって、楽しいからではありません。長続きしません。

物事がうまく進まないとストレスが溜まります。自分ひとりでやった方が早いと感ずることも結構あります。ただ、組織に属しているとそうもいきません。仕事がデキない人、考え方が異なる人、ただネガティブな人、いろいろな人と絡まないといけません。

仕事がデキない人には経験不足、スキル不足でデキない人と、圧倒的にデキない人がいます。圧倒的にデキない人とは、自我が強く学習しない人です。こういう人とはできるだけ絡まないようにしましょう。量的負荷が高くなっても自分でやってしまった方がいいでしょう。前者の場合には自分のやり方を丁寧に教えましょう。ホテル働き始めて2年目のある日、リーダー格の先輩から“俺が柴田に仕事を教えてる理由がわかるか? 俺が楽になるためだ。”と言われたことを覚えています。真理です。考え方が異なる人についても、自分の流儀をしっかり伝えましょう・

困りものは“ただ、ネガティブな人”です。何をやるにせよ、“めんどくさい、できるだけ波風起こさないようにしよう”、代案を出すわけものなく、ただネガティブ。不思議なことにこういうネガティブ系の人たちは集いがちです。そういう人たちの会議や組織に入ってしまったら、聞き流しましょう。ネガティブ集団にわかってもらおうと奮闘しても覇気を吸い取られて消耗します。この集団に期待しないのが一番です。ここも自分の負荷が高まりますが、頑張って目に見える成果を出してしまいましょう。そうなるとネガティブ集団であっても、“勝ち馬”に乗ろうという動きが出てきます。

はたらくを楽しむために個人でできることがあります。なんといっても実力をつけること。目の前の仕事をするためのスキルではなく、ポータブルスキルと心のもちようです。アラフォー以上を対象に「PHAZEリカレント」をやっていますが、近く20歳未満の若者向けにもポータブルスキルを学んでもらう場を創ろうと思っています。

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