966号「リーダーの気くばり」(メールマガジン「人事の目」)

10月27日(木)に「リーダーの気くばり」という本をクロスメディアパブリッシングから出版いたします。事前予約の数が上がると“良い事がある”らしいですね。以下よりポチっていただけると、とっても嬉しいです。
https://bit.ly/3tLaueo

昨年12月末にクロスメディアパブリッシングの小早川社長からご相談いただき、春先から編集チームと何度もやりとりをして出版に至りました。

組織内、対顧客で発生する問題の大半がコミュニケーション不足によるものです。事前に伝えておけば・・・、違う伝え方にしていれば・・・、思い当たることがありますよね。コミュニケーション不足は“「気くばり」”がその原因です。相手に対する適度な「気くばり」があれば、そんなことは起きません。

マネージャーの仕事は一緒に働くメンバーが気持ちよく全力で働ける環境をつくることです。一人ひとりのメンバーへの「気くばり」がこれを可能にします。マネジメントとは「気くばり」そのものです。思い起こしてみると、これまでの人生でお会いした魅力的な方々はみなさん「気くばり」の達人でした。優れたリーダーの要素の一つとして「I care about you.」(周囲を大切にしている)をお話ししていますが、それができるのは「気くばり」があるからです。

この「気くばり」をスキルとして学べるようにしたい。そう思って今回の執筆に至りました。

「気くばり」は対価を求めるものではありません。相手のことを想って行うものです。見返りを求めるような行為は「気くばり」とは言えません。それは“袖の下”です。“袖の下”を受けるのは毒まんじゅうを食べるようなものですから、心ある人であれば全く嬉しくありません。

また、「気くばり」の対象は顔が見える仕事上の相手だけではありません。特定されない誰かに対するものでもあります。例えば、新幹線で降りるときにイスの角度を戻しておくこと、スーパー銭湯で次に使う人のことを考えてイスや桶を整えておくこと、ごみを捨てるときに仕分けしておくこと、これらもすべて「気くばり」です。

家族ももちろん「気くばり」の対象です。家の外では「気くばり」の達人だが、家に帰ると「気くばり」の「き」の字もないという人がいます。それは外で「気くばり」を“頑張って”やっているからです。自然にやれるようになると、家の外も中でも変わらなくなります。ちなみに“頑張ってやっている「気くばり」”は(気づいていないかもしれませんが)心のどこかで見返りを意識している「気くばり」です。本物の「気くばり」ではありません。

さらに自分に対する「気くばり」も必要です。自分の体調が万全でないと他者に対する「気くばり」などできるわけがありません。自分のことは後回し、という人がいますが、そのスタイルはその人を大事にしている人たちに心配をかけていることに気づく「気くばり」がありません。

世界中の指導者たちが「気くばり」ができれば、ガザ地区やウクライナで起きているようなことはなくなっていくのになあと思います。

毎回、新刊本を出版したときに出版記念トークを開催してきましたが、今回はスケジュールの調整がつかず残念ながらできません。ぜひともお手にとっていただけるとありがたいです。特に働き盛りの中間管理職の人たちに読んでいただきたいです。


おまけー1:「気くばり」といえば、「気くばりのすすめ」の鈴木健二さんを思い出します。最終版の「気くばりのすすめ」が2020年に出版されていました。90歳を超えて現役。敬服いたします。

おまけー2:アジア大会のサッカーで北朝鮮の選手が給水係を威嚇したシーンを見ました。「気くばり」の真逆の行動です。一方でそういう行動をとってしまう選手の背景を考えると辛くなります。「気くばり」は精神的な余裕がないとできません。

おまけー3:「これ食いな。わたしの気くばり。」注文していない料理を出してきて、しっかり料金をとる西新宿の某寿司屋のおばちゃんはまだ健在でしょうか。

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