Vol.678 パロマの大変貌に感動

聞いてください。

 

猛烈に感動しました。パロマという会社に、です。

パロマは日本を代表するガス機器製造販売会社です。

 

2006年7月14日、奈落の底に落とされます。過去に製造した瞬間ガス湯沸かし器による

死傷事故問題が勃発したのです。同様の事故に関して過去に勝訴していたこともあり、

当初「自社製品の問題ではなく、不正改造が原因」と対応したところ大炎上。

社会問題化しました。

 

私はこの問題の第三者委員会の副委員長でした。

 

当時のパロマは極めて閉じた会社で、かつオーナー絶対主義の会社でした。工場は汚く、

暗く、床には得たいの知れない液体がこぼれたまま。営業所も狭苦しいところでした。

そこに、この死傷事故問題が勃発。連日のようにマスコミでパロマ叩きが行われていました。

機器の回収・点検、クレーム対応。それこそ営業どころではない状態になりました。

会社の雰囲気はさらに重苦しく、社員もみな下を向いていました。

 

そんな中、“このままでは会社が本当にもたない”という切迫感から、次世代を担う

であろう若い社員たちと社長と未来のための合宿を行いました。会社を本当に変えよう。

変えないと明日がない。そのとき「パロマ課題構造“曼荼羅図”」というものを作成しました。

 

“ここにすべての問題が凝縮している。負のサイクルが発生し、このままでは会社の根幹

である「人」が潰れてしまう。この“曼荼羅構造”を変えよう!“ 

 

それがそのときの参加者全員の合意事項でした。

 

そして事故から11年半が経過。当時、私のサポートをしてくれていた人が取締役に昇任しており、

その方のお招きで久しぶりにパロマ本社(名古屋市瑞穂区)を訪れました。

 

全部変わっていました。会社に到着して、しばらく呆然としました。

 

本当に全部です。明るく開かれた会社になっていました。すれ違う社員たちの表情も明るく、

社内もピカピカに清掃されています。社内を流れる空気が違っていました。

 

最初にやったことは工場のトイレの改修だったそうです。そして、食堂。温かい食事が

とれる施設ができました。コールセンターは社長室の隣。全員社員です。コールセンターに

寄せられるすべての声に誠実に対応し、本当に商品開発、改善に役立てています。

 

本社内に「失敗からの学び」と題した、社員向けの展示があります。特別に見せてもらいました。

2006年の問題を含め、それ以外のリコールなど、設計上・生産上の失敗に始まり、労災、

営業車での事故など会社や社員が関わる失敗事例を展示しています。

 

ここにいくつか小林社長による宣言が書かれているのですが、その姿勢に猛烈に感動しました。

経年劣化、使用者の誤使用、施工の不具合、これらをすべてメーカーの責任と捉え、

問題が起きないように努力する。素晴らしいです。製造業の多くがアセンブリメーカーに

なりつつある現在、パロマでは全部品を自前で作っています。

コストを考えていたらできることではありません。

 

“この10年の歩みと再建の様子を世の中に訴求しないのか?”と聞きましたところ、

“会社の姿勢について、自分たちから声高に言うものではないと考えています。

それはお客様や世の中が決めるものです。”というお返事。

 

これにも痺れました。言うのではなく、態度で示す。素晴らしい。

 

合宿参加メンバーの一人が常務に昇進していました。

 

“この柴田さんがまとめてくれた曼荼羅図、先週の経営会議でも再度確認したんですよ。

気を抜くと昔に戻ってしまいますからね。”

 

涙が出そうになりました。

 

 

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