988号「定期異動について思うこと」(メールマガジン「人事の目」)

3月後半になりました。4月の定期異動の仕組が残っている企業、団体では、内示がそろそろ行われている頃ですね。先日、某団体で内示前日の職員の方々と話す機会がありましたが、みなさん“ドキドキ”されていました。なんだか懐かしい感覚でした。

そもそも「定期異動」は以下の目的により行われています。

1)社員、職員のキャリア開発
2)組織の活性化
3)退職者、および1)+2)による欠員補充
4)特殊事情(ハラスメントなど苦情対応)対応
5)その他(個別事情)


これらすべて異動の理由として“あり”だと思うのですが、私はこのやり方については問題意識をもっています。異動に際して、個々の社員の専門性についてあまり考慮されてないこと、本人の意思がほぼ事後確認であること、このあたりを変えるべし、と思っています。

かつては問題解決能力の高さが問われていましたので、部署関係なく(専門性を問わず)配置転換をするのが当たり前でした。自社が提供する顧客価値が変わらず、その提供手段も大きく変わらないときには「対応」(リアクティブ)で良かったのです。目の前に出現する問題に的確に対処できる人材を育成・処遇する、これが人事制度の基本思想でした。

今は違います。顧客価値を適応進化させていくことが求められています。そうなると問題解決の前に、課題発見力(プロアクティブさ)が問われます。課題は常に“具体”です。今後の課題の「具体像(これからどうなるか/何ができるか)」を語れるのはその領域での専門性が高いからです。

全社員が何らかの専門性を装備することが求められる時代になりました。経営者のみなさんは、このことをわかっています。ただ、人事制度の思想が、その運用が、昔のままなのです。ここをアップデートしましょう。

社員全員が自分の専門領域(ジョブファミリー)を意識して仕事をし、自らのキャリアを開発をする人事制度に変えましょう。昨年来、私が提唱している「プロフェッショナル型人事制度」がそれです。
https://indigoblue.co.jp/service/hr-system/

配置転換は特定領域(ジョブファミリー)の専門性の幅を広げたり、その質を深めることを目的に計画的に行うようにします。ジョブファミリーを越える配置転換は原則としてなしにします。計画的に行う、ということは本人も配置転換を想定、または期待することになります。ここが重要なのです。(この原則外で配置転換するのが幹部候補者です。)

加えて、“自分のキャリアは自分で創る”、この意思がある社員にはそれができるようにしましょう。これを推進するためのキャリア開発に関するカウンセリング体制を整えましょう。

時代の変化に合わせて、人事制度をアップデートするときです。


おまけー1:頭を洗った後で髪の毛が渇くのが早いと思います。これは常に私が頭から熱(パッション)を放射しているからにちがいないと話したところ、「髪の量が少ないだけじゃないすか」という意見あり。

おまけー2:先日乗ったANA便で隣にヨーダが座っていました。

おまけー3:3月28日(木)のOT(無料)体験会ですが、キャンセルされた方がいましたのであと2席空きました。90分でOTがわかる滅多にない機会です。早い者勝ちです!
https://indigoblue.co.jp/ot-trial/

 

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