現状を打破する「ブレイクスルー」が生み出される環境とは(「人事の目」856号)

常識を打破する「ブレイクスルー」

ブレイクスルー感染が報じられています。ワクチン接種により抗体ができるので感染しないはずという認識を破る、つまりブレイクスルーする現象が起きているとのこと。

ブレイクスルーというと、どちらかというとポジティブな意味合いで使われている印象がありました。「ブレイクスルー感染」という言葉を最初に目にしたときには、少々違和感がありました。ただ、そもそも「ブレイクスルー」とは従来の考え方を打ち破るということ。間違ってはいません、残念ながら。

ブレイクスルーを生み出す環境づくり

ブレイクスルーさて、同じ事業を長くやっていると、ブレイクスルーが求められる時が来ます。どんな事業であっても、時間の経過と共にその成長が鈍化し、停滞します。この停滞状況から抜け出す解決策、ブレイクスルーが必要になるわけです。このブレイクスルーをどう起こすか。このためにリーダーは何をすべきか。しかも、このリモア(リモートアクセス)環境下でどうやるか。

ちなみに、ブレイクスルーにつながるアイディアはこんな感じで形成されることが多いです。

誰かが「思いつき」の発言をする。
それに共感した誰かが「肉付け」をし、
誰かが「実行案」に創り上げる。

「思いつき」がスタートです。「思いつき」がないと始まりません。ただし、ややもすると現職のリーダー自身がこの「思いつき」を葬りがちです。

最初の「思いつき」は従来の発想、やり方では思いつかない“非常識”であることが多いと思います。むしろそれでいいのです。ブレイクスルーの芽なのですから。ところが、これを役職が上の人や経験豊富な人が”ありえない“として否定しがちです。はっきりそう言わなくとも、表情や気配でそう反応してしまうのです。

経験はときに制約条件となります。経験が浅い人、新鮮な目で見ている人の方が“非常識”なヒントを口にできる可能性が高いと思います。その可能性を潰してはいけません。

「ブレイクスルー会議」みたいな会議を開催して、なんとかしようとするものNGです。特に上司が「どうするんだ、何かアイディアはないのか!」的なプレッシャーをかけるのは最悪です。出るもの出なくなります。

ストレスフリーで、かつ何を言っても否定されないという環境づくり。ブレイクスルーを実現したいとしたら、まずやるべきことはこれです。リーダー自身がそういう対話の場を仕切れるのが理想的です。ただ、“昭和的思想(上意下達)の中で育ってきた人”、“論理派”はそういう場づくりが苦手かもしれません。リーダー自らやる必要はありません。そういうことが得意な人にお願いしましょう。

さて、これをオンラインでどうやるか。ヒントはTVのトーク番組です。トーク番組と視聴者です。視聴者の立場から自由にコメントできるようにします。活発に交わされるブレスト討議を見ているとアイディアが浮かぶものです。トーク番組の司会者役は重要です。否定せず、笑いを起こし、リズム良く対話が交わされるように進行します。この“視聴者参加型”オンライン討議、一度やってみてください。面白い「思いつき」が出てきますよ。


おまけ

おまけー1:次世代経営者育成をテーマに小説を書いてみました。企業研究会の会報誌「BR」に連載中です。最終回は9月10日発売の「BR」に掲載。そこまでの5話を以下から読めます。
https://indigoblue.co.jp/bestregards01/

おまけー2:「アラフィフの学び直し」PHAZEリカレント第3期生募集の説明会ですが、あと2回です。
(9月4日と29日です。「PHAZEリカレント」で検索お願いします。)

おまけー3:毎週の出かけている某所のプール。行くと超日焼けした老人が必ずいます。その色たるやチョコレートです。次にお会いしたら、そのチョコレート老人に話しかけてみたいと思っています。

 

執筆

Indigo Blue 代表取締役会長
柴田 励司(Reiji Shibata)
上智大学卒業後、京王プラザホテル入社。在籍中に、在オランダ大使館出向。その後、組織・人材コンサルティングを専門とするマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン)に入社。2000年には、38歳で日本法人代表取締役社長に就任する。以降、キャドセンター代表取締役社長、デジタルスケープ(現イマジカデジタルスケープ)取締役会長、デジタルハリウッド代表取締役社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役COOなどを歴任。2010年7月より株式会社Indigo Blueを本格稼働。

 

 

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